マッギンリー・ダイナミック (McGinley Dynamic)

定義

マッギンリー・ダイナミックは明確な移動平均線を提供することに加え、市場スピードの変化に対応するという点で他の移動平均線とは一線を画しています。マッギンリー・ダイナミックは移動平均線をベースにしたテクニカル指標で、もともと市場のトレンドを追跡するために設計されたものです。

歴史

ジョン・R・マッギンリーは、インジケーターと市場全般とのタイムラグを大幅に減少させる移動平均を作成することを目的として、マッギンリー・ダイナミックを考案しました。うまく機能させれば、他の移動平均よりも高速で信頼性の高いものになるでしょう。

計算

マッギンリー・ダイナミックを使用する際は、期間(N)を選択することによって、誰にでも簡単にカスタマイズが可能です。インジケーターの計算は以下のとおりです。

各定義:

MD[1] = 1つ前のMD値

価格 = 銘柄の現在価格

N = 期間

重要な点は、市場のプライスアクションを上手く反映し、価格との隔たりやボラティリティを最小化するために、計算式に「価格 (= 銘柄の現在価格)」が使われていることです。上記の計算式により、銘柄の値動きを注意深く監視することが可能となります。

要点

他の移動平均インジケーターと比べると、マッギンリー・ダイナミックは市場の追跡をより優れたものにするように設計されています。他のインジケーターから際立っている点としては、市場スピードの変化に対応する能力があることです。これはインジケーターの計算式にすでに組み込まれている自動調整機能の使用によって実現します。この機能のおかげでマッギンリー・ダイナミックは市場スピードの上昇や低下を監視することが可能となり、トレンドを見極める際の手助けにもなります。

以上の調整機能に加えて、このインジケーターでは価格の隔たりや不安定な動きも最小限に抑えられ、より多くの関連データを使って、より正確に価格の状況が描写されます。

着目点

移動平均線を使用する際にはラグに注意しなくてはなりませんが、それはどのような移動平均も固定された期間設定の影響を免れることはできないからです。一方、マッギンリー・ダイナミックはこの問題をすでに考慮に入れており、市場スピードの変化に対応することで、よりスムーズで正確なラインを描写します。

市場スピードは遅くなったり速くなったりと、変動することがよくあります。マッギンリー・ダイナミックはこうした市場の特性を認識して、市場スピードに適応するために自動で変化する平滑化係数を計算式に組み込んでいます。

サマリー

マッギンリー・ダイナミックは、同種の移動平均線よりも優れた市場追跡力を持つインジケーターです。その計算式においては、市場スピードの変化や価格の隔たりへの対応が可能となっており、他の移動平均線とは一線を画しています。また明確で反応に優れたデータが提供され、より包括的な移動平均線の描画が可能です。