平滑移動平均線 (SMMA)

定義

平滑移動平均線 (SMMA)は、直近の価格と過去の価格を比較し、必ず両者に等しい重み付け評価を行います。このインジケーターの計算方法においては、特定の決まった期間のみを参照することはなく、利用可能な一連のデータ全てが分析に使用されます。平滑移動平均線は一般的に長い期間で使用される点で、指数移動平均線 (EMA)と異なっています。

計算

平滑移動平均は、先に述べたとおり一定期間を参照するのではなく、利用可能な一連のデータ全てを使用して計算を行います。その計算には次のようなステップを踏みます。

  1. まず、当日の価格から前日の平滑移動平均を引きます。
  2. 次に、ステップ1の結果を前日の平滑移動平均に加えます。
  3. その結果から当日の移動平均が得られます。

要点

平滑移動平均 (SMMA)と単純移動平均 (SMA)の両者を混同しないようにしましょう。単純移動平均も、価格データを同じ重みで計算しますが、新しい価格データが追加されると最も古い価格データを除外します。この2つの移動平均は似ているように聞こえますが動作は全く異なるため、混同するとトレードにおいて不利に働く可能性があります。平滑移動平均は、価格や平均を計算する期間に応じて重みをつけた機能であることを覚えておくことが重要です。

また、平滑移動平均は平均を決定するにあたって長めの期間を使用し、計算期間の中にある価格データに重みをつけます。この場合、最も古い価格データは平滑移動平均の計算から除外されることはありませんが、移動平均全体の値に及ぼす影響は少なくなります。

特筆すべきは、その平滑化の機能と能力です。平滑移動平均線は、短期的な変動や現在のトレンドに対して重要でない動きを取り除くことができます。これが多くのトレーダーの間で人気となっている理由の一つです。

着目点

平滑移動平均線を使用する際には、いくつかの重要な点に注目することが大切です。ここでは「期間」と「ソース」の2つのポイントに分けて、さらに掘り下げてみましょう。

期間。期間はチャート上に表示されるバーの本数を表します。トレーダーが一貫して日足チャートのデータを使用する場合、その期間は日数を指すことになります。週足チャートの場合、期間は週を意味し、他も同様です。このインジケーターのデフォルトの設定は9ですが、必要に応じて変更が可能です。移動平均を滑らかにするために通常は期間を長く設定します。その場合、次の式が使用されます。

期間 = 2*n-1

ソース。ソースは、計算の際に指定するシンボルのデータ項目を指します。この項目にはデフォルトの設定がありますが、これもトレーダーの好みや取引のニーズに合わせて変更可能です。デフォルトの設定は「終値」です。

制限事項

より正確で信頼性の高い結果を得るためには、平滑移動平均線を他の指標やテクニカル分析ツールと組み合わせるのが最も効果的です。

サマリー

平滑移動平均線は直近の価格と過去の価格を比較し、必ず両者を等しい重みで分析します。このインジケーターは、結果を計算する際に一定の期間のみを参照するのではなく、利用可能なすべてのデータを使用し、指定した時間の閾値を超えてもデータポイントが除外されることはありません。