相対ボリューム (対時間比) (Relative Volume at Time)

定義

出来高(ボリューム)とは、決められた期間内に取引された資産の総量のことです。「相対ボリューム (対時間比)」 は、ある特定のポイント (時間) で取引された通常出来高や累積出来高を、過去の同じポイント (時間) で取引された出来高の平均値と比較します。この比較によって、ある日時の取引が過去の履歴から想定されるものよりも際立って大きく変化しているケースを見極めることができます。

計算

このインジケーターのロジックを理解するには、どのように計算に使用するデータポイントが選択されているかを理解する必要があります。まず、期間の開始時点となる直近のポイント(アンカー)から直近のバーの時間の差を計算します。そして、指定した期間の数だけ過去に遡り、同じ時間差に該当するバーを選択します。そして選択したバーの平均出来高が計算されます。"Anchor Timeframe" の入力項目では、各期間のサイズ (時間足) を指定します。指定した時間足でバーが更新されると同時に、次の期間が新たに開始されます。「期間」の項目では、平均を計算する期間の数を指定します。

例として: 30分足チャートで、パラメーター "Anchor Timeframe" の設定を「1日」、パラメーター "期間" の設定を「5」にします。このシナリオでは各期間は9:30に開始するものとして、現在時刻が12:15、つまり直近のバーの開始時刻は12:00だったとします。この場合、開始時刻 (9:30) から直近のバー開始時刻 (12:00) の差を計算します (12:00 - 9:30 = 2時間30分)。次に、各期間の開始時刻から2時間30分後に開始したバーを過去5日間にわたってすべて参照します。そして、これらのバーの平均出来高を計算して、その平均値に対する現在の出来高の比率(現在の出来高÷平均出来高)をチャートに表示します。

最後の設定項目 "Calculation Mode" では、計算に使用する出来高の種類を決めます:

  • "Cumulative"(デフォルト)では、直近の期間の開始時点から累積されている総出来高を使用します。上の例では、開始時刻の9:30から12:15までの総出来高と、過去5日間の9:30から12:30までの平均累積出来高が計算されます。
  • "Regular" では、非累積出来高を使用します。上の例では、直近の12:00のバーの出来高が使用され、過去5日間にわたって同じポイント (同じ時間差に該当するバー) の出来高の平均が計算されます。

いずれの場合であっても、直近のバーがまだ確定していない段階では、現在の値は本来よりも低くなることに注意が必要です。"Cumulative" モードを使用している場合は、特に期間の後半のバーになるにつれて、バーの値が期間内でそれまでに蓄積された出来高を表すので、差はそれほど大きくなりません。短い時間足に切り替えると、直近のバーが動いている時間が短くなるため、それだけ計算結果を忠実に反映させることができます。

過去の期間でアンカーから特定のオフセットに位置するバーがない場合、インジケーターはそのオフセットより前に位置している利用可能なバーの中から、最も近くにあるものを計算に使用します。

パラメーター

Anchor Timeframe

上記の計算のセクションでも述べたように、相対ボリュームの計算で使用する期間のサイズを指定します。"Anchor Timeframe" の値がチャートの時間足よりも小さい場合は、「期間」はチャートのバー1本毎にリセットされ、インジケーターが計算に使用するのは直近のN本のバーのみということになります(Nは「期間」の値です)。

期間

平均出来高の計算に使用する、過去の期間の数を指定します。

Calculation Mode

計算に使用する出来高の種類を指定します。"Cumulative" であれば、各期間の開始時からの累積出来高を使用し、"Regular" であれば、非累積出来高を使用します。