インジケーターの設定に「移動平均 (Moving average)」というセクションがあります。これにはどんな機能がありますか?
移動平均はテクニカル分析ツールの一つで、チャートデータから連続する部分を取り出して、それら一連の平均を計算して繋げることによって動的な平均線を作成するものです。この移動平均線はチャートの価格変動を平滑化したり、全体的なトレンドの方向性を見極めるためによく使用されます。
移動平均にはいろいろな種類があり、計算方法も様々です。たとえば、各データポイントに加える重みを等しくするものもあれば、各ポイントに加重係数をかけて特定のデータだけに重みをつけるものもあります(再帰性、対称性、出来高に基づいているものもあれば、比例関数的または指数関数的にポイント加重するものもあります)。移動平均の期間(平均を計算する際に使用するデータポイントの数)も最終的なプロットに影響を及ぼします。したがって、価格変動に対して移動平均がどれくらい早い反応を示すか、あるいはその動きがどれくらい大きくなるかについては、このようなバリエーションの違いが影響してきます。
内蔵インジケーターの中には、RSIのようにインジケーターに移動平均のプロットを追加できる「移動平均」のオプションが備えられているものがあります。この機能を使うと、インジケーターの計算結果とともにそのデータを平滑化(平均化)したラインを新たに表示させることができます。「移動平均」のセクションは、インジケーター設定の「パラメーター」タブにあります。
「移動平均」のセクションには「タイプ」、「期間」、「BB StdDev」の3つの設定があります:
内蔵インジケーターで利用できる移動平均のタイプは以下のとおりです: "SMA"、"SMA + Bollinger Bands"、"EMA"、"SMMA (RMA)"、"WMA"、"VWMA"。各移動平均の内容やプロットの解釈については、こちらのヘルプセンターの記事にて詳細をご覧いただけます。
また、「タイプ」設定で "None" を選択すると、移動平均のプロットなしでインジケーターを表示できます。インジケーターによって、デフォルトの移動平均タイプが "SMA" または "None" のものがあります。
「タイプ」設定で "SMA + Bollinger Bands" を選択すると、"SMA" を選択した時と同じ移動平均線が表示され、さらにそのSMAの上下にボリンジャーバンドの2本のラインがプロットされます。
「BB StdDev」が適用されるのは「タイプ」設定で "SMA + Bollinger Bands" が選択されている場合に限ります。ここでSMAから上下のボリンジャーバンドまでの標準偏差を指定します。デフォルトでは、SMAから上下のバンドは2σに設定されています。
「期間」設定では、移動平均の計算に使用するデータポイントの数を指定します。デフォルトは14です。期間を短くすると短期的な価格変動に反応する速い移動平均になり、 長くすると長期的な変動を示す遅い移動平均になります。