【ドル円】中期見通し | レンジ幅の確認と上値下値の目処今回の投稿では昨年末に投稿したアイデア「【ドル円】2023年の見通し」(リンクは下記)のアップデートとして、
これからのドル円相場の中期的見通し(数週間~数ヶ月)を共有してみたいと思う。
Ⅰ.現状認識
日足
まず日足の状況整理をすると、以下のチャートに示す二つのレンジ幅を見ている。
赤のレンジ:132.50を上限とする中レンジ(下限は1月安値127.20)
青のレンジ:134.50を上限とする大レンジ(下限は上に同じ)
昨年10月からのドル円の下落トレンドは、1月中旬につけた127.20の安値を割ることなく現在2023年2月上旬まで来ており、
このことから10月からの下落トレンドの底値圏としてのレンジを形成していると見ることもできる。
Ⅱ.現在の状況をどう見るか
次に10月から現在までの流れを以下の二つの観点で見ていきたいと思う。
1. 下降トレンドはすでに終了
以下チャート1の緑のN字に注目していただきたい。
上記の通り、昨年10月からのドル円の下落の流れは、一旦1月中旬につけた127.20の安値を割ることなく現在2023年2月上旬まで来ている。
そして1/24高値をブレイクしていることから、すでに127.20からの安値の切り上げが確定。つまり下降トレンドはすでに終了したという見方である。
チャート1
2.下降トレンドは継続中
一方で134.50円付近に控える戻り高値(青のレンジ上限と重なる)を抜けるまでは下降トレンド継続中と見ている方もいることであろう。
1,2の双方を勘案すると、127.20から134.50のゾーンは下降トレンドが終了したと見ている勢力と、まだまだ下降トレンドは終わっていないという二つの目線が混在するエリアと言える。
その意味でもこのゾーンは10月からの下落トレンドの底値圏として、青の平行線で示したように大きなレンジになる可能性も考えられる。
また、このことは同時に134.50の戻り高値を抜けてくる場合は2の見方が崩れることになり、10月からの下降トレンドは完全に終了となるので、ドル円の上昇圧力が高まってくることが考えられるだろう。
Ⅲ.今後の見通し
ではその場合にどの辺りが上値の目処となってくるかという点であるが、138円から142円付近を目安として見ている。(チャート2:青の帯)
チャート2
134.50の戻り高値を抜けてくれば、今度は10月からの下降トレンドに対する調整がスタートすることになる。
10月からの下落の半値付近が大体140円のキリ番。その下には22年12月の高値138円も控えている。
月足を見ていただければわかるが、12月は大陰線でありその高値ということでそれなりに重さを見せるのではないか。
そのため140円を挟んで前後2円の幅くらいをゾーンとして見ているということである。
仮にそのゾーンを抜けてくるような場合は、143.50付近を頭として見ている点は年末時の投稿と変わっていない。
なお、10月からの下落の過程で130.50付近に位置していた週足の押し安値がブレイクされている。
つまり週足レベルで見たときに、2021年からのドル円の上昇トレンドは終了しているということである。(下記週足チャート)
このことから考えても140円より上はかなり上値が重くなってくるのではないかと見ている。
材料的には日銀の金融政策修正の思惑が渦巻くことになるであろう。
週足
一方の下値側であるが、こちらも年末の投稿から変わっていない。
下限はMaxで116.50円から120円と見ている。
それより手前にある125円の黒田ラインの裏も、どのような反応を示すのかも非常に注目であろう。