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P&G、好調な米消費者需要とコスト緩和で年間利益予想を上方修正

プロクター・アンド・ギャンブル PGは、商品コストの低下と、特にアメリカやヨーロッパの消費者が高価な洗剤「タイド」や食器用洗剤「ドーン」を買い続けたことから、年間利益予想を上方修正した。

P&Gの第3四半期の売上高はアナリストの予想を下回ったものの、同社は原材料価格がパンデミック時のピークから下がってきた恩恵を受けて、最終利益を押し上げることができた。

アンドレ・シュルテン最高財務責任者(CFO)はメディア向け電話会見で、同社の最高市場である米国での販売量は約3%増加したと述べた。シュルテン最高財務責任者(CFO)はメディアとの電話会議で、消費者はP&G製品からノーブランド製品に切り替えていないと述べた。

「消費者は買い替えをしていない」とシュルテン氏は付け加えた。

しかし、P&Gの投資家であるZCM社のシニア・ポートフォリオ・マネージャー、ドン・ネスビット氏は、コスト意識の高い消費者はバリュー・ベースの製品に目を向けていると述べた。

P&Gの米国とヨーロッパでの好調な売上は、中国でのトップセラーである高級スキンケア・ラインSK-IIの売上減少によって影を潜めた。

シュルテンは、1本100ドル前後で販売されているSK-IIについて、同社は中国で「トレンドの底に達した」と述べた。同製品の第3四半期の売上は中華圏で約30%減少した。

P&Gは、6月に終了する2024年度について、商品コストの改善による税引き後利益を、当初予想の8億ドルから約9億ドルに引き上げた。

消費財大手のP&Gは、今年度のコア1株当たり利益が10%から11%増加すると見ており、これは従来予想の8%から9%の伸びを上回るものである。

項目を除いたP&Gの1株当たり利益は1.52ドルで、予想の1.41ドルを上回った。

LSEGのデータによると、第3四半期の純売上高は前年の200億7000万ドルから202億ドルに増加したが、アナリストの平均予想204億1000万ドルには届かなかった。

同社の株価は取引開始直後に約2%下落した。

「売上高は未達だが、予想は上々ということで、同社は懐疑的な見方をしている。P&Gの株を保有するアネックス・ウェルス・マネジメントのチーフ・エコノミスト、ブライアン・ジェイコブセンは、「価格上昇が難しくなっている環境下で、販売量を増やすことができると期待しているのかもしれない」と語った。

「逆風が和らぐことを期待するのは、現実に対する希望の勝利のように思える」と彼は付け加えた。

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Thomson ReutersP&G looks to revive volumes P&G looks to revive volumes

また、シュルテン氏は決算発表後の電話会見で、エジプト、サウジアラビア、トルコ、インドネシア、マレーシアなど、中東情勢の緊迫化が始まって以来、一部の国の販売量は軟調に推移していると述べた。

また、値上げによる売上増加の恩恵が薄れてきているため、現在では全体的な販売量を増やす能力に焦点が移っている。

P&Gの第3四半期の販売量は全体的に横ばいだったが、製品カテゴリー全体の平均価格は3%上昇した。

シュルテン氏は、P&Gはこれ以上の値上げを行わず、販売量は前四半期比で増加していると付け加えた。

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