ASMLの次なる挑戦：3億5,000万ドルを投じた新型「High NA EUV」マシンのロールアウト

チップ製造装置大手のASML ASMLは金曜日、3億5000万ドルを投じた新しい「High NA EUV」マシンの生産準備を進めていると発表した。

時価総額でヨーロッパ最大のハイテク企業のオランダ本社で金曜日に初公開されたこの装置は、インテル INTCや他の最高級半導体メーカーをターゲットにしている。

ASMLは、今年中に "数台 "の出荷を見込んでおり、カスタマイズや設置に関する作業が残っていると述べた。

ASMLの広報担当者であるモニーク・モルス氏は、「我々はエンジニアリングと開発を続けており、それを調整し、製造システムに適合させるために行うべき仕事がたくさんある」と述べた。「ASMLの広報担当者であるモニク・モルス氏は、次のように語っている。

ASMLは、最先端チップの製造に必要なキーテクノロジーである極端紫外線（extreme ultraviolet）(EUV) フォトリソグラフィーの唯一のメーカーである。

高NA EUVはその次世代技術である。しかしアナリストによれば、どれだけの顧客が高コストのデバイスに切り替える準備ができているかは未知数だという。

セミアナライシスのジェフ・コッホは、「一部のチップメーカーは、技術的な主導権を握ろうとして早期に導入するかもしれないが、大多数は経済的に理に適うまで導入しないだろう」と述べた。

顧客は、既存のツールからより多くを搾り出すのを待つことを選ぶかもしれない。コッチ氏自身の計算では、旧来の技術からの切り替えが費用対効果的になるのは、2030年から2031年ごろになるという。

「これは、ASMLが2027-28年に工場を立ち上げてから、数年後に最先端ロジックに全面的に採用されるまでの間に、High-NAの生産能力が過剰になる可能性が高いことを意味します。

ASMLのピーター・ウェニンク最高経営責任者（CEO）は1月、アナリストがこの技術を過小評価している可能性があるとロイターに語った。

ASMLのピーター・ウェンニンク最高経営責任者（CEO）は1月のロイターのインタビューで、「現在、われわれが顧客と議論していることはすべて、High NAの方が安いということだ」と述べた。

ASMLのHigh NA製品管理責任者であるGreet Storms氏は金曜日、2026年から2027年あたりに変曲点が来ると述べた。

「これは、顧客が量産に踏み切るポイントです」と彼女は記者団に語った。

インテルはすでにパイロット・デバイスを1台納入しており、来年には生産を開始する予定だと述べた。

TSMC 2330とサムスン 005930は、このツールを使用する意向を示しているが、時期は明らかにしていない。

ASMLによると、現在までに10～20の受注を獲得しており、これにはメモリのスペシャリストであるSKハイニックス 000660とマイクロン MU向けのパイロット装置も含まれている。

米国が中国への最先端技術の輸出を抑制し、北京の半導体の野心を刺激しようとしているためである。

しかし先月、チップ業界の木鐸とされる同社 は、 (link) 、中国への制限によって業績が悪化するのではないかという投資家の懸念を和らげるような堅調な受注を報告した。

このツールの迅速な導入は、ASMLの売上とマージンを押し上げ、リソグラフィ・システム市場における同社の支配的地位を拡大する可能性がある。リソグラフィ・システムとは、最終的にコンピューター・チップの回路となるシリコンウエハー上のパターンをトレースするために光を利用する機械である。

ASMLによれば、High NAツールは、チップ上の最小フィーチャのサイズを最大40％縮小し、トランジスタの密度を3倍近くまで高めることができるという。

ASMLは日本のニコン 7731やキヤノン 7751と競合し、比較的古い世代のチップ製造に使われるリソグラフィ装置を製造している。

しかし2010年代後半、オランダのASMLはEUV、つまり波長13.5ナノメートルの光を使ったリソグラフィ装置を販売した最初で唯一の企業となった。

オリジナル機もHigh NA機も、1秒間に5万回のツインレーザーパルスでスズの液滴を蒸発させることでEUV光を生成する。

ASMLによると、High NA機の最大の変更点は、カールツァイス製の不規則な形状のミラーで構成される光学系が大型化されたことである。高NAとは高開口数（High Numerical Aperture）の略で、同社によれば、これが解像度の向上につながるという。

(ドル＝0.9269ユーロ)