非標準チャートタイプ(平均足、練行足など)でストラテジーが非現実的な結果を返します

TradingViewでは、非標準のチャートタイプ(平均足(HA)、練行足、カギ足、ポイント&フィギュア、レンジ)などあらゆるチャートタイプにストラテジーを適用できます。しかし、非標準チャートの価格水準は本質的に合成値であるため、非標準チャートで計算されたバックテストの結果は、通常実際の市場条件を反映せず異なる結果を返します。

ユーザーマニュアルに記載されているように、ストラテジーの注文はチャートのOHLC値を利用して約定されます。例えば練行足チャートで実行されるストラテジーでは、実際の市場価格ではなく練行足の価格レベルを使用します。ヘルプセンターの記事で練行足の機能計算についてご説明していますのでご確認ください。練行足の価格レベルは実際の市場価格と同じではありませんので、注文が練行足の価格で約定されると信頼できるストラテジーの結果が得られません。

注: 非標準的なチャートの中でも平均足チャートは他と異なる性質を持っています。OHLCが合成値である点は他と同じですが、平均足のバーが他と異なるのは標準チャートと同じように時間軸と連動している点です。結果的に、標準チャートの各バーに対してそれに基づいて計算される平均足のバーがすべて1本ずつ存在することになります。ストラテジーの計算は基本的に平均足チャートのデータに基づいて行われますが、このような理由から、標準チャートの合成されていないデータに基づいてポジションを建てたり決済することもできます。このオプションを有効にするには、ストラテジーのプロパティを開いて「標準のOHLC値を使用」するオプションを選択します。

こちらの簡単なストラテジーで確認してみます:

//@version=6
strategy("My Strategy", overlay=true)
longCondition = open < close 
if (longCondition) 
    strategy.entry("My Long Entry Id", strategy.long) 
shortCondition = open > close 
if (shortCondition) 
    strategy.entry("My Short Entry Id", strategy.short)

通常のローソク足を利用した標準チャートの場合、ストラテジーは極めて普通の結果を返します。他の標準チャートタイプ(バーチャート、中空ローソク足、ライン、エリア、ベースライン)でも全く同様の結果となります。

しかし同じストラテジーを非標準チャートタイプで実行した場合、実際の市場では再現できない全く異なる結果となります。例えば練行足チャートではこのような結果が得られます:

この結果は練行足チャートの合成価格を用いて計算されたものであり、大抵のケースで実際の市場でトレードを行なった場合に得られる注文の約定結果を反映していません。

非標準チャートでストラテジーが実行できるのはなぜですか?

非標準チャートで生成されるプライスアクションの解釈に用いられる様々な手法によって、市場を分析する際にトレーダーは独自の視点を得ることができ、その長所と限界を理解しているトレーダーにとってはそれらが役立つと感じるかも知れません。弊社ではツールのご提供を行っておりますが、どのツールをどのようにトレードに使用するかの選択はトレーダー次第です。しかしコミュニティに対して警告を行うことは弊社の義務であると考えています: ストラテジーで非標準のチャートタイプを使用する場合にはご注意が必要です。ご希望に応じて私的にご利用いただくことは可能ですが、コミュニティを保護する為に、非標準チャートを利用したストラテジースクリプトの公開についてはモデレート処理が行われます。