ストキャスティクスRSI (STOCH RSI)

定義

ストキャスティクスRSI (Stoch RSI) は、端的に言うとインジケーターのインジケーターです。これはRSIインジケーターにストキャスティクスを適用する分析方法です。ユーザーが設定した期間の高値/安値からRSIを計測します。ストキャスティクスRSIインジケーターは、0から1の範囲に値があります。その値は線として描画されます。このインジケーターは主に買われすぎや売られ過ぎを判断するために使われます。

歴史

ストキャスティクスRSI (Stoch RSI) は、トゥーシャー・シャンデとスタンリー・クロールによって開発されたインジケーターです。彼らは1994年の著書『The New Technical Trader』の中でこのインジケーターを紹介しています。

計算

ここでは、極めて一般的な期間14のストキャスティクスRSIを例にしています。
ストキャスティクスRSI = (RSI - 最安値RSI) / (最高値RSI - 最安値RSI)
おおよその基準を以下に示します。
14日ストキャスティクスRSI = 1 ならばRSIが14日間で最も高いレベルにあります。
14日ストキャスティクスRSI = 0.8 ならばRSIが14日間の高値/安値の範囲の高値付近にあります。
14日ストキャスティクスRSI = 0.5 ならばRSIが14日間の高値/安値の中間にあります。
14日ストキャスティクスRSI = 0.2 ならばRSIが14日間の高値/安値の範囲の安値付近にあります。
14日ストキャスティクスRSI = 0 ならばRSIが14日間で最も低いレベルにあります。

基礎

ストキャスティクスRSIは、価格から2歩離れたインジケーターであることに留意することが重要です。そもそもRSIが価格から1歩離れているため、RSIのストキャスティクス計算は2歩離れていることになります。これが重要なのは、価格から何歩か離れている他のインジケーターと同様、ストキャスティクスRSIは実際の値動きと短い間切り離されることがあるからです。ストキャスティクスRSIの主な機能は、決まった範囲の値を取るインジケーターとして、クロスオーバーや買われ過ぎ/売られ過ぎを特定することです。

着目点

買われ過ぎ/売られ過ぎ

買われ過ぎと売られ過ぎの条件が従来のRSIとは異なります。RSIの買われ過ぎと売られ過ぎは、慣例として買われすぎが70、売られすぎが30に設定されていますが、ストキャスティクスRSIはそれぞれ0.80と0.20が一般的となっています。ストキャスティクスRSIを使用して買われ過ぎと売られ過ぎの判断するには、いま発生しているトレンドに沿った取引を行う場合に最も効果があります。
上昇トレンド時には、売られすぎの状態をエントリーポイントとして探します。

下降トレンド時には、買われすぎの状態をエントリーポイントとして探します。

サマリー

テクニカル分析でストキャスティクスRSIを使用する場合、トレーダーには注意しなければならないことがあります。RSIにストキャスティクスの計算を加えることで、値の変化スピードが大幅にアップします。そのため、より多くのシグナルが発生しますが、良いシグナルだけでなく、だましも多く発生する可能性があります。効果を最大限に発揮するためにも、ストキャスティクスRSIを他のツールやインジケーターと組み合わせて使用する必要があります。トレンドラインや基本的なチャートパターン分析を使用することで基本となる現在のトレンドを特定し、ストキャスティクスRSIの精度を高めることができます。ストキャスティクスRSIを使用しながら、現在のトレンドに反した取引を行うのは危険な考えです。

パラメーター

K

%Kの計算に使用する期間です。デフォルトは3です。

D

% D = 現在の価格と過去の平均価格との乖離率 (モメンタム)。%Dの計算に使用する期間です。デフォルトは3です。

RSIの期間

RSIの計算に使用する期間です。

ストキャスティクス期間

ストキャスティクスの計算に使用する期間です。

RSI(相対力指数)ソース

各バーのどのデータを計算に使用するかを指定します。デフォルトは「終値」です。

スタイル

K

%Kの表示/非表示の切り替え、および%Kの実際の現在値を示す価格ラインの表示/非表示を切り替えることができます。また、%Kラインの色、線の太さ、線のスタイル (「ライン」がデフォルトです) も選択可能です。

D

%Dの表示/非表示の切り替え、および%Dの実際の現在値を示す価格ラインの表示/非表示を切り替えることができます。また、%Dラインの色、線の太さ、線のスタイル (「ライン」がデフォルトです) も選択可能です。

アッパーバンド

買われ過ぎを示すラインの表示/非表示を切り替えられます。線の値、線の太さ、線の種類 (「破線」がデフォルトです) も選択可能です。

ロワーバンド

売られ過ぎを示すラインの表示/非表示を切り替えられます。線の値、線の太さ、線の種類 (「破線」がデフォルトです) も選択可能です。

背景

バンド内の背景色の表示/非表示を切り替えます。色や不透明度の変更も可能です。

精度

インジケーターの値を切り上げて残す小数点以下の桁数を設定します。この数値が大きいほど、インジケーターの値の小数点以下の桁数が多くなります。