レート・オブ・チェンジ (ROC)

定義

レート・オブ・チェンジ (ROC) はモメンタム系のオシレーターです。一定期間の価格の変化率を計算します。 ROCは現在値をn期前 (nはユーザーが設定) の値と比較します。計算された値はプロットされ、ゼロラインの上下で変動します。テクニカルアナリストはレート・オブ・チェンジ (ROC) を、トレンド判定と買われ過ぎ状態と売られ過ぎ状態の判別のために使用したりします。

計算

n = ユーザーが定義した数値
ROC = [(現在の終値 - n期間前の終値) / (n期間前の終値)] X 100

基礎

レート・オブ・チェンジ (ROC) は明らかに価格と密接な関連があります。価格が上昇している場合、ROCの値はゼロラインの上方 (プラス) を維持し、下落している場合には、ゼロラインの下方 (マイナス) を維持します。

また、ROCはオシレーターでありながら、一定のレンジに縛られることがない点に注意が必要です。というのも、ある銘柄がどこまで値上がりするかには限界はありませんが、値下がりには当然ながら限界があるからです。価格が0円になれば、当然それ以上下がることはありません。その為、ROCがアンバランスに見えることもあります。

着目点

トレンドの見極め

レート・オブ・チェンジ (ROC) は、金融商品の長期トレンドを全体的に識別するのに有効なツールです。これだけをシグナルにするには至らないとしても、シグナルを発している他の条件を確認する際に役立ちます。

買われ過ぎと売られ過ぎ

さきに述べたように、ROCは他の多くのオシレーターとは異なり、レンジに拘束されません。その為、買われ過ぎや売られ過ぎの見極めは容易ではありません。買われ過ぎ、売られ過ぎの閾値をどこに置くかは難しい問題です。この点を打開するためにも、リサーチと過去データの分析を行うのがベストです。テクニカルアナリストは、過去の値動きとROCを比較することで、ある商品についてどんな時が本当に買われ過ぎ、または売られ過ぎなのかをより的確に判断する感覚を得ることができるのです。

サマリー

レート・オブ・チェンジ (ROC) は、パズルの1ピースとして捉えることが重要です。ROCは (買われ過ぎと売られ過ぎの状態で見られるように) シグナルを発生させることもできますが、ROCが最も効果を発揮するのは、他に追加したテクニカル分析が示すシグナルや条件の確認として使用するときです。また、値動きを分析する際にモメンタムはきわめて重要な要素となるので、モメンタムを非常にうまく分析してくれるROCは、貴重なテクニカル分析ツールと言えるでしょう。

パラメーター

期間

ROCの算出に使用する期間です。デフォルトは9です。

ソース

各バーからどのデータを計算に使用するかを決定します。デフォルトは「終値」です。

スタイル

ROC

ROCの表示/非表示の切り替え、およびROCの実際の現在値を示すラインの表示/非表示を切り替えることができます。また、ROCラインの色、太さ、種類も選択可能です。

精度

インジケーターの値を切り上げて残す小数点以下の桁数を設定します。この数値が大きいほど、インジケーターの値の小数点以下の桁数が多くなります。