出来高オシレーター (Volume Oscillator)

定義

出来高オシレーターは出来高を取り巻く2つの移動平均 (MA)、短期MAと長期MAで構成される指標です。出来高オシレーターは、この2つの移動平均の関係を分析することによって出来高を測定します。

計算

出来高オシレーターは、短期の出来高移動平均と長期の出来高移動平均の両方を計算しますが、デフォルトでは、これらは異なる期間で設定されています。短期の出来高移動平均のデフォルトは5であり、これは5日または5週のことです。また、長期の出来高移動平均のデフォルトは10であり、10日または10週の期間を意味しています。短期出来高MAから長期出来高MAを引いた値に対する長期出来高MAの比率が出来高オシレーターの値になります。

要点

出来高オシレーターは、しばしば出来高の分析を用いてその値を決定しています。この原理を2つに分けてもう少し深堀りしてみましょう。

まず最初に、出来高の増加を伴う価格の上昇や下落から、どのようにしてトレンドの強さが示されるかを分析しましょう。この場合、短期の出来高MAを分析して、それに従うことが重要です。短期の出来高MAが長期の出来高MAを上回り、出来高オシレーターがゼロラインを上回った場合、上昇トレンドであれ下降トレンドであれ、現在の価格の方向性と市場のトレンドの強さを確認することができます。

次に、出来高の減少を伴う価格の上昇や下落から、どのようにしてトレンドの弱さが示されるかを見てみましょう。この場合も短期の出来高MAを分析して、それに従うことが重要です。短期の出来高MAが長期の出来高MAを下回り、出来高オシレーターがゼロラインを下回った場合、現在の価格の方向性と市場全体のトレンドが弱いことをトレーダーに示す警告にもなります。

着目点

価格上昇が顕著な場合、出来高オシレーターのダイバージェンスが発生することがあります。このダイバージェンスはしばしば一般的な出来高の減少を伴うものであり、トレーダーはこれを強く意識する必要があります。ダイバージェンスが発生すると、短期の出来高MAが長期の出来高MAを下回り、出来高オシレーターがゼロラインを下回ると言われています。 特に上記のようなケースでは、現在の価格の方向性が弱く、近い将来トレンドが反転する可能性があるというトレーダーへの警告シグナルにもなることもよくあります。

トレーダーはヒストグラムがゼロラインの上にあるか下にあるかを見て、価格のトレンドを見極め、その方向が強いか弱いかを判断することができます。プラスであれば、ヒストグラムはゼロ線の上方にプロットされ、既存の市場に現在のトレンド方向を維持するためのサポートが十分にあることを示しています。一方、マイナスであれば、ヒストグラムはゼロ線の下方にプロットされますが、これは市場のサポートが不足しており、価格の停滞やトレンド反転に向かうことを示しています。

制限事項

一つの指標だけに固執するよりも、複数のテクニカル分析指標を使用することが常にベストです。市場分析において、ひとつだけの指標に依存することは望ましくありません。だからこそ、トレードの助けとなるような指標を複数使用することをお勧めします。結局のところ、一つのインジケーターが100%信頼できるわけではありません。ですから、ご自分でお好みのツールを様々使ってみて、資金と利益を守るようにしましょう。

サマリー

出来高オシレーターは、価格のトレンド強弱を予測する上で有用なテクニカル分析インジケータです。出来高を分析することで潜在的な取引をより多く判断できるようになるため、他のトレンド系の指標やツールに加えて、この指標も選択肢の一つとして頭にいれておくと良いでしょう。