テクニカルレーティング
定義
テクニカルレーティングとは、複数のテクニカルインジケーターのレーティングを組み合わせることによって、利益をもたらす可能性のあるトレードを見つけやすくするテクニカル分析ツールです。
計算
以下は、個々のインジケーターのレーティングを決定するために使用される基準です。なお、上昇と下落の判定には、直近のバーからの変化が利用されます:
すべての移動平均線
- 買い — MA値 < 価格
- 売り — MA値 > 価格
- 中立 — MA値 = 価格
一目均衡表
- 買い — 先行スパン 1 > 先行スパン 2 かつ 基準線 > 先行スパン 1 かつ 転換線 > 基準線 かつ 価格 > 転換線
- 売り — 先行スパン 1 < 先行スパン 2 かつ 基準線 < 先行スパン 1 かつ 転換線 < 基準線 かつ 価格 < 転換線
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
RSI
- 買い — インジケーター < 30 で上昇中
- 売り — インジケーター > 70 で下降中
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
ストキャスティクス
- 買い — メインラインとシグナルライン < 20 かつ メインライン > シグナルライン
- 売り — メインラインとシグナルライン > 80 かつ メインライン < シグナルライン
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
CCI
- 買い — インジケーター < -100 で上昇中
- 売り — インジケーター > 100 で下降中
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
ADI
- 買い — +DIライン > -DIライン かつ インジケーター > 20 かつ 上昇中
- 売り — +DIライン < -DIライン かつ インジケーター > 20 かつ 上昇中
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
オーサム・オシレーター
- 買い — ソーサーと値が0より大きい または ゼロラインを上に交差
- 売り — ソーサーと値が0より小さい または ゼロラインを下に交差
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
モメンタム
- 買い — インジケーター値が上昇中
- 売り — インジケーター値が下降中
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
MACD
- 買い — メインラインの値 > シグナルラインの値
- 売り — メインラインの値 < シグナルラインの値
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
ストキャスティクスRSI
- 買い — 下降トレンド かつ KラインとDライン < 20 かつ Kライン > Dライン
- 売り — 上昇トレンド かつ KラインとDライン > 80 かつ Kライン < Dライン
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
ウィリアムズ%R
- 買い — インジケーター < 下限バンド かつ 上昇中
- 売り — インジケーター > 上限バンド かつ 下降中
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
ブル・ベア・パワー
- 買い — 上昇トレンドでベアパワー < ゼロ かつ ベアパワーが上昇中
- 売り — 下降トレンドでブルパワー > ゼロ かつ ブルパワーが下降中
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
アルティメット・オシレーター
- 買い — UO > 70
- 売り — UO < 30
- 中立 — 買いでも売りでもない場合
売りの評価の数値は -1、中立は 0、買いは 1 です。グループと総合評価は、個々のインジケーターのレーティングの平均値で算出されます。
グループと総合評価の推奨度は、この数値のレーティング値に基づいて、以下の基準で決定されます:
- [-1.0 ≤ 値 < -0.5] — 強い売り
- [-0.5 ≤ 値 < -0.1] — 売り
- [-0.1 ≤ 値 ≤ 0.1] — 中立
- [0.1 < 値 ≤ 0.5] — 買い
- [0.5 < 値 ≤ 1.0] — 強い買い
基礎
インジケーターの推奨度は、それに含まれる様々なインジケーターに対して計算されたレーティングに基づいています。
インジケーターの総合評価には、2つの大きなインジケーターのグループが含まれています。1つは、異なる期間のSMAとEMA(10, 20, 30, 50, 100, 200のMA期間)と一目均衡表 (9, 26, 52)、VWMA (20)、HullMA (9) で構成されています。もう一つは、以下のオシレーターで計算されます: RSI (14)、ストキャスティクス (14, 3, 3)、CCI (20)、ADX (14, 14)、AO、モメンタム (10)、MACD (12, 26, 9)、ストキャスティクスRSI (3, 3, 14, 14)、ウィリアムズ%R (14)、ブル・ベア、UO (7,14,28)。各グループのレーティングは別々に計算されていますので、インジケーターの設定でグループを選択すると、それぞれのレーティングの計算がチャートに表示されます。
利用目的
テクニカルレーティングツールは、ゼロラインを上下に変動する値を持つように設計されています。値は、赤、青、灰色のバーのヒストグラムとしてプロットされ、スクリプトのパラメーターの「評価基準」の項目での選択に依存します。評価基準の項目では、MAの評価、オシレーターの評価、または両方の平均値のどの値を表示するかを選択できます。
インジケーターの値が 0.1 から -0.1 の間にある場合、列は灰色になります。青色の列が徐々に満たされていくと、値が0.1以上で上昇していくことを示し、赤色の列で満たされていくと値が-0.1以下で下落していることを示しています。
ヒストグラムの最後にあるラベルには、MA、オシレーター及び総合評価の状態が表示されます。ラベルの色は「評価基準」の項目で選択したレーティングの値によって決まります: 灰色は中立、青は「買い」または「強い買い」、赤は「売り」または「強い売り」を表します。
サマリー
テクニカルレーティングは、多くのアナリストやトレーダーの方にとって貴重なテクニカル分析ツールになると思います。多くのトレーダーは、より良い判断を下すために、補完的なインジケーターを選択して使用しています。テクニカルレーティングは、非常に人気の高いインジケーターとそのシグナルを組み合わせることで、この作業を簡素化します。
注意事項: 金融商品の売買をする際の情報源として、この「テクニカルレーティング」のインジケーターが示すサインだけを頼りにするのはTradingViewとしては全くお勧めできません。これらのサインは、ユーザーの皆様方が有利な取引条件を見極める手段として使用されている個々のインジケーターやそれらの組み合わせが、ご自身の戦略と合致するかぎりでその条件がどれだけ満たされているかを参考程度に示しているものに過ぎません。