パフォーマンスサマリー: 最大可能利益

利益について最大の可能利益を表示します。つまり、ストラテジーが実行した全トレード中に発生する可能性がある最大利益のことを指します。この値は、そのストラテジーが未決済ポジションの状態で経過したバーごとに個別に計算されます。最大可能利益は「ストラテジーテスター」の「概要」タブに表示され、その計算方法は以下のとおりです:

1. 個々のトレードごとにトレード開始前の資産を計算します。初回のトレードであれば、この値は初期資金と同じになります。

2. 各トレードについて、トレード開始前の最小資産を計算します。ストラテジーの初期資金と、その時点で既に終了しているすべてのトレードの資産の値を取得し、これらの値の中で最小の値を求めます。

3. そのストラテジーでポジションを保有していた時の各バーについて、ストラテジーの可能利益を計算します。ロングの場合は、以下の式で計算されます:

Equity_on_Entry - Min_Equity + Numbers_of_Contracts * (Current_High - Entry_Price)

ショートの場合は、式は以下のようになります:

Equity_on_Entry - Min_Equity + Numbers_of_Contracts * (Entry_Price - Current_Low)

取引終了時のバーについて可能利益を計算する場合は、バー内の値動き、つまり、価格が高値または安値のいずれかの内で始値に近い方へと移動してからもう一方の遠い方へと移動し、最後に終値に至るというプロセスを考慮する必要があるということに注意してください。したがって、バーの開始時に取引を終了した場合、始値はそのバーの最大値と最小値の両方とみなされることになります。

4. 現在のバーの可能利益を求めた後、これまでに計算したすべての可能利益の値の中から最大値を求めます。これが現時点におけるストラテジーの「最大可能利益」となります。

下記の例で「最大可能利益」がどのように計算されるかを見てみましょう:

Supertrend Strategyを使用して、初期資金10000ドルから始めるとします。シンボルとしてNYSE:UBERを10日足で開きます。

初回のトレードなので、最大資産とトレード開始前の資産は初期資金と同じになります。2020年11月13日の初回トレード時に、このストラテジーはロングエントリーを行って47.11ドルで32枚を買い、1499.52ドル相当の株式を購入しました。トレード開始後、同じバーで価格は最大値となる52.15に達しました。この時点で株式を売却すると、可能利益は10000 - 10000 + 32 * (52.15 - 47.11) = 161.28になります。これが現状では唯一の可能利益値であり、当面はこの値が「最大可能利益」にもなります。この後、初回のトレードでさらに2回新高値に到達し、最大可能利益の値が2回更新されることになります。

2021年1月4日: 10000 - 10000 + 32 * (60.03 - 47.11) = 413.44

2021年2月2日: 10000 - 10000 + 32 * (64.05 - 47.11) = 542.08

初回のトレードでは価格が64.05を上回らなかったため、2回目のトレードに移ることになりました。/p>

2回目のトレード(2022年2月15日)を行ったのは、ポジション反転のシグナルが出た時でした。その実行には、まず32枚を売ってロングを決済する必要があります。そこで32枚を35.44 = 1134.08で売りました。初回トレードの株式を決済した後の資産は、10000 - 1507.52 + 1134.08 = 9626.56ドルになります。この値が新しい最小資産となります。ロングの枚数を0にした後、さらに73 - 32 = 41枚を35.44でショートしたので、実質的には1453.04米ドルを獲得したことになります(株の空売りです。つまり、株を借りて、後でより良い価格で買い戻すことを期待して売ることです)。

この時のバーで、価格は最小値となる29.71に達しました。この時点で買い戻すと、可能利益の値は9626.56 - 9626.56 + 41 * (35.44 - 29.71) = 234.93となります。これが2回目の取引開始時のバーにおける可能利益の値ですが、542.08を下回っているため、現時点では依然として542.08が「最大可能利益」となっています。

さらに価格は何回か安値を更新しますが、2022年5月12日に価格が21.28で最小値に到達したバーでようやく「最大可能利益」が更新されます。このバーでの可能利益は、9626.56 - 9626.56 + 41 * (35.44 - 21.28) = 580.56となります。そして、これが現時点で求められる最大の可能利益なので、これが新しい「最大可能利益」となります。

2022年6月10日のバーでは価格が20.16まで下落したので、新しい「最大可能利益」は、9626.56 - 9626.56 + 41 * (35.44 - 20.16) = 626.48になります。

最後に、2022年6月27日のバーでは最安値の19.9に達したため、9626.56 - 9626.56 + 41 * (35.44 - 19.9) = 637.14が新たな「最大可能利益」になります。