ティックベースの時間足とは何ですか?

ティックベースの時間足は、一定の時間単位ではなく、一連の値動きのティック数を単位に動作するものです。市場の変化をさらに細かく見ることができるので、価格の変動に即座に対応したり、短期的な変動を捉えたいというデイトレーダーに特に役立つものとなっています。

この記事から学べることは何ですか?

この記事では下記の質問に焦点を当てて、機能の全体的な概要を説明します:

  • ティックベースのチャートとは?
  • ティックチャートのメリットは?
  • 「ベータ版」とはどういう意味ですか?
  • ティックベースの時間足にはどのようなものがありますか?
  • この機能を利用できるのは誰ですか?
  • ティックベースのチャートを設定するには?
  • ティックデータにはどのようなものがありますか?どの取引所のデータが利用できますか?
  • 過去のティックデータを利用する場合、どのくらいまで遡ることができますか?
  • Pineスクリプトでティックベースの時間足はサポートされていますか?
  • 追加機能や制限事項は?

ティックベースのチャートとは?

一定の時間を一つの単位としてバーやローソク足を形成する時間ベースのチャート(たとえば、「30秒足」のチャートの各バーは30秒を表しています)とはちがって、ティックチャートでは、経過した時間に関係なく連続したティックの回数に基づいてバーが形成されます。

たとえば、10ティックのチャートでは、連続する10回のティックごとに新しいバーが表示されます。記録されるティックには価格/時間/出来高情報が含まれており、10ティックの各バーには10ティック各セットの始値・高値・安値・終値が表示されます。10ティックバーは数秒で形成されることもあれば、1分、1時間、あるいは1日という時間をかけて形成されることもあります。別の言い方をすれば、10ティックのチャート上では、バーの記録にかかる時間はバーの形成に影響しないということです。ティックチャート上のバーは指定されたティック数を記録すると終了し、後続のバーは直近のバーが閉じた後、新たなティックが発生したときに開始されます。各バーのタイムスタンプは開始時刻、つまり、そのバーで最初にティックが記録された時刻を表しています。

ただし、ティックベースのバーも他の日中足のバーと同様、セッション開始と同時に新しいバーが出現します。そのため、セッション開始時に一つ前のバーが指定のティック数を含んでいなくとも、ティックチャートでは新規にバーが出現することになります。

ティックチャートのメリットは?

ティックチャートはトレーダーにとって、次のような大きなメリットがあります:

  • ティックチャートを使うと、市場の動きを細かく見ることができます。ティックバーは指定の取引回数に基づいて形成されるので、市場が最も活発に動いているのはいつなのか、あるいは、ほとんど動いていないのはいつなのかを明確に把握することができます。新規のティックバーが頻繁に形成されるのは、市場の動きが活発な時間帯です。逆に、市場の動きが鈍い時間帯では、新規バーの出現頻度が低くなります。
  • プライスアクション、トレンド、出来高/取引量についてより詳細に把握できる視点が得られるので、迅速な取引判断を行うのに役立ちます。こうした視点は、多数の取引を素早く行うことで小さな利益を積み重ねていく、スキャルピングなどの短期戦略を採用するトレーダーに有利です。
  • また、時間ベースのチャートに比べて、市場のボラティリティが高まった時の取引状況をより鮮明に浮き彫りにすることができます。

「ベータ版」とはどういう意味ですか?

ティックチャートは現在「ベータ版」であり、ユーザーの皆様にご利用していただけるものの、まだ完璧なものではありません。現在はフィードバックを収集しながら、この機能を改善してユーザーの皆様のニーズにお応えできる方法を見極めているところです。ティックベースの時間足で何か問題が発生したり、改善点についてご提案がございましたら、サポートチケット経由でぜひ私たちにお知らせください。

ティックベースの時間足にはどのようなものがありますか?

以下のオプションから選択が可能です: 1T、10T、100T、1000T。つまり、各ティック毎にバーが値を表示するチャート (1T) や、1本のバーにつき10/100/1000ティックの情報を表示するチャートを読み込ませることができます。

ただし、ティックの時間足は予め設定されており、カスタマイズすることはできません。

この機能を利用できるのは誰ですか?

ティックチャートの「ベータ版」は、プロフェッショナル (Exper、Elite、および Ultimate) のアカウントでのみご利用いただけます。

ティックベースのチャートを設定するには?

標準的なチャートタイプ(バー、ローソク足、ラインなど)はすべてティックベースの時間足に対応しており、平均足チャートも同様に対応しています。ただし、他の非標準チャートタイプ(練行足、新値足、カギ足、ポイント&フィギュア)では、まだ本機能をご利用いただけません。ティックベースのチャートを使用するには、サポート済のチャートタイプを選択して、チャート画面の上部にあるメニューからティックベースの時間足を選択します。


または、キーボードで1T、10T、100T、1000Tと入力してEnterキーを押します。

ティックデータにはどのようなものがありますか?どの取引所のデータが利用できますか?

現在のところ、主要取引所(ユーザーに人気の取引所)であればティックデータが利用できます。さらに多くの取引所をサポートできるよう、今後徐々に追加していく予定です。

以下は、現時点でティックデータが利用可能な取引所のリストです:

取引所資産タイプ
オーストラリアASX株式
ベルギーEuronext Brussels株式
カナダ

TSX

TSXV 

株式
デンマークOMX Copenhagen株式
フィンランドOMX Helsinki株式
フランスEuronext Paris株式
ドイツXETR
FWB
株式

EUREX先物
香港

HKEX 

株式、先物
インドNSE株式、先物
BSE株式、先物
MCX
NSEIX
NCDEX
MSEI
先物
インドネシアIDX株式
イタリアMIL株式
日本TSE株式
マレーシアMYX株式、先物
オランダEuronext Amsterdam株式
ノルウェーEuronext Oslo株式
ポルトガルEuronext Lisbon株式
サウジアラビアTADAWUL株式
スウェーデンOMX Stockholm株式
タイSET株式
TFEX先物
トルコBIST株式
英国LSE株式
米国NASDAQ
NYSE
NYSE Arca
OTC

株式

CBOE株式、指数
CME Group先物
全世界FXCMFX
ICE (ICE Data Services)

全世界

Binance暗号資産
Bitstamp
Coinbase

チャートのシンボルがティックベースの時間足をサポートしていない場合は、オプションがグレーで表示され、時間足メニューで利用できないようになっています。

過去のティックデータを利用する場合、どのくらいまで遡ることができますか?

過去のティックデータの最大量は、TradingViewのサブスクリプションおよびチャートのシンボルによって異なります。Expertプランでは最大25,000バー、Eliteプランでは最大30,000バー、Ultimateプランでは最大40,000バーの過去データにアクセスできます。

ただし、先物つなぎ足("1!"および "2!" のシンボル、例: CME_MINI:ES1!, CBOT_MINI:YM1!) には、バーの本数以外にも制限があります。先物つなぎ足においてティックデータを最大限利用できるのは、当限とその前の限月のみです。これよりも前の限月のデータはご利用いただけません。

Pineスクリプトでティックベースの時間足はサポートされていますか?

ティックベースのチャートに適用されるインジケーターやストラテジーは、通常と同じように計算されます。さらに、プロフェッショナルプランのいずれかをご利用であれば、Pineスクリプトでティックベースのデータをリクエストすることもできます。

追加機能や制限事項は?

  • 現時点でティックデータは人気が高い取引所でご利用いただけます。このデータを利用するには、プロフェッショナルプランが必要です。
  • ティックベースの時間足は予め設定されており、カスタマイズすることはできません。
  • ティックベースの時間足では、バーリプレイとディープバックテストは動作しません。
  • 練行足、新値足、カギ足、ポイント&フィギュアのチャートでは、まだティックベースの時間足をご利用いただけません。
  • ティックベースの時間足では、サーバー型アラートは利用できません。
  • モバイルアプリでは、まだティックベースの時間足をご利用いただけません。
  • ティックベースのチャートを使用した公開アイデアの投稿はできません。