BTCUSD今週は先週の市場予測よりも弱い雇用統計(非農業者部門)に続き、6月の米PPIは、前年同月比0.1%上昇、前月比も0.1%上昇とともに予想に届かなかったことによって市場では複数回の利上げは難しいとの見方が一段と強まり、金利が低下する方向に動きました。市場は「利上げ」よりも景気後退度合いを気にし始めてきている様子が伺えます。実質金利も一時は1.7%台後半まで上昇したものの、今週は1.6%まで低下して終えています。これにより実質金利乖離率は若干ではあるものの下ザヤとなっていることから向かい風は一旦止んだといえるでしょう。
BTCとETH両方を見ても、ロングがまだ大量に積みあがっていることからアセマネ勢は依然としてロング目線ではあるものの、上値が重い状況が続いていることを見て若干ロングポジションを落として、ややヘッジショートを行っている様子が伺えます。
CMEの取組高を見ると過去最高値のところまで上昇して取組高が減少しており、USDベースで見ても2021年後半のコロナ金融緩和相場以外で2回頭を抑えられたポイントまで来て取組高が減少しています。ここを超えるにはブラックロックのETFが承認されるなどのポジティブニュースがないと、更に取組高は積まれにくい水準まできているため、万が一ブラックロックのETF承認が却下されるのであれば、逆にトップとなる可能性には注意が必要です。特にアセマネが過去2週連続で大幅にロングを増加させた$30480~31105を超えないうちは要注意。
素直に見れば株価や銅、実質金利に対しても下ザヤとなりはじめているのでサポートが入りやすいため$29940~30345で「買い」という選択肢になるのでしょうが、下ザヤ度合いも顕著に下ザヤになっているわけではなく、上述した通り株価がそろそろ調整入りしてもおかしくない場所まで来ているため、買いを検討するにしても、もう少し下に引き付けて買いを検討するのが良さそうです。
買いを検討するのであればアセマネのロング平均価格が集積している$27320~28210で下値が固いようであれば買いを検討するのが無難そうですが、まずは$29265~29835に引き付けて買いを検討するのが良いでしょう。これまでも述べてきた通り、$31545~32500には週足100SMAと2022年3月28日の高値と11月21日の安値を結んだリトレースメントの50%が位置しているため、ここを抜けてくれば次は$35185~36530をトライする動きとなるでしょう。