メタ：衰退は避けられないのか？広大な影響力と市場での存在感を誇るMetaプラットフォームズだが、深刻かつ複合的な課題に直面しており、今後の混乱が予想される。表面上は依然として支配的な地位を維持しているように見えるが、法的圧力、規制強化、競争の激化といった外部要因により、同社の脆弱性は増している。これらの逆風が拡大すれば、Metaの財務基盤が揺らぎ、ビジネスモデルの根幹に変革を迫られる可能性がある。
主要な懸念の一つは、コンテンツ管理に伴う人的コストである。Metaはアフリカで複数の訴訟に直面しており、コンテンツモデレーターが過酷なコンテンツにさらされた結果、深刻な心理的被害を受けたとして訴えられている。特にガーナとケニアで提起された訴訟では、Metaがアウトソーシングされた労働者の福祉に責任を負うべきだと主張され、不十分な支援体制や搾取的な労働環境が問題視されている。これらの訴訟で敗訴した場合、Metaはコンテンツ管理業務の世界的な見直しや大幅な投資を迫られ、多額の損害賠償責任を負う可能性がある。
同時に、Metaは特に欧州で厳しさを増す規制の波に直面している。EUのデジタル市場法（DMA）に基づく最近の巨額罰金は、テック大手によるユーザーデータの取り扱いや市場支配を規制する明確な意図を示している。この罰金には、いわゆる「同意または支払い」モデルの違反に対するものや、過去の不公正な取引慣行に関するものも含まれており、グローバルな監視強化の潮流を反映している。さらに、米国連邦取引委員会（FTC）による独占禁止法違反の訴訟も進行中で、Metaに対しInstagramやWhatsAppといった主要な買収の取り消しを求める声が高まっている。特にInstagramはMetaの広告収入の大きな柱であるため、これらのプラットフォームの強制売却は、同社の存続に関わる重大な脅威となり得る。
法的・規制的な闘争に加え、デジタル分野での競争激化や、メタバースのような大規模投資の不確実な収益性が、Metaにとって厳しい展望を生み出している。これらの圧力が重なることで、同社の収益性、市場シェア、さらには社会的評価に深刻な影響が及ぶ可能性がある。この複雑な環境を乗り切るためには、Metaがこれらの根本的な課題に効果的に対応することが不可欠だ。さもなければ、大きな衰退の局面に直面するリスクが高まるだろう。
