7月31日からのドル円展望

先週末、YCC修正報道から金曜にかけてドル円は乱高下の荒れ相場でした。
YCCの柔軟化という発表を受けて日本の金利幅は0.5%から1%となり、実質的な金利上昇事態を行ったわけでは無かったものの、現状の0.5%から上昇できる幅を持たせたことによって相場は円高に反応。
その後金曜日の海外勢参入からは、金曜夜中2時のYCC修正報道で急激に買われた円を再度売る形の円安で、円全戻しの反応になりました。
(円インデックス/JXY参照)
一方ドルは木曜のNYタイム時21時頃からの上昇後の水準からほぼ動いておらず、一時金曜の欧州タイム17時辺りから上下し、ドル安に反応した瞬間も有りましたが、結局同じ水準まで戻り、ドル高を維持するような形で先週は幕を閉じました。
(ドルインデックス/DXY参照)

上記の円とドルのそれぞれの動きを観察し、ドル円が今日までどのような動きをしてきたかを見直してみた所、先週の金曜日2時に141.1付近から急に始まったドル円の下落から週足確定までの上昇までの一連の流れの殆どが円単体の動きによる乱高下だったと分かりました。

私は常々、ドル円の本質的なトレンドの向きには【ドル】の向きが主軸になっていると考えています。なのでたまにドルと円の単体の動きをそれぞれ観察していますが、先週末の日銀前後の乱高下には、その主たるドルの動きはほぼ絡んでなかった事が判明したので、ドル円の今後のトレンドについては現在ドル安になっていない事を考慮して、来週は中長期目線で上昇中のドルを基準とした上目線に固定し、ドル円は押し目買いの戦略に主軸を置いていこうと考えました。

ただ、急な円高の反動とは言え、昨日の上昇には円安になった動き自体にも急を伴っているので、週明けの反応としてはそのまま高値更新して更に上昇というよりは、一瞬高値を更新したとしても、ファンダ要因による急な円高が無いとも限りませんし、そのような懸念を持っている市場が一定数いると考えられる以上は安易にロングは出来ません。

また、週明け31日は月末フローも出てくると考えられます。

現状、円高要因が無くなったわけではなく、むしろYCCの内容に修正が有った分、今後経済物価情勢の上振れ懸念が有った場合は金利を上げると言っているのですから、ヘッドラインでの報道やその際は日米金利差の乖離が少なくなる為、ドル円は円高にも過敏に反応し金利差の減少に伴い下落するという考えは常にある状態です。

それ等を加味し、一旦どこかでまた大きめに調整下落が入る流れを想定して高値をガッツリ更新するまでは、142円から139円位迄の大きめのレンジ相場がもうしばらく続く線が濃厚とみています。

どちらかに大きくトレンドができるまでは一応目線は上の考えで行きますが、それまではレンジ相場として割り切って見た場合のトレード戦略と、その中でもできるだけ良い位置で入れた押し目買いポジションを主軸のドル円上目線を根拠に育てていく考えを合わせた上で、トレードしていくようにしたいと思います。

という事で今週の展望にはドル円1時間足と、4時間足、それと1時間足でDXYとJXYの表示をさせています。
ドル円の週足、日足については今回は省いていますが、週足の長い髭付き陰線と日足大陽線もドル円の上目線を支持するプライスアクションだと今は認識しています。

また、シナリオについては先週まで話していた橙のシナリオをメインと考えている事に変更は有りません。ただ、直近の動きが乱高下過ぎたため、少し予想がしにくい状況です。
それについては分かってきたら都度更新していきますのでよろしくお願いします。
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