【News Column】リーマンショック超える緊急予算、楽観材料の裏側を考える

📌市場動向

✅EU「EU域外からの入域を制限」
✅豪「国民の海外渡航を全面禁止」

✅2月米小売売上高「(前月比)‐0.5%、18年来の低水準」

新型コロナウイルスによる小売店の休業を受け、市場予想を大幅に下回る結果となった。
これら経済指標の落ち込みと同時に警戒されるのはGDPへの影響。住宅関連等、これまで大きく相場に影響しなかった指標すら敏感に反応する環境。各国政府らの緊急対応後も、上値を重くする材料になり得る為要警戒。

✅FRB「企業の資金繰り支援の為、CP市場への流動性供給プログラムを復活」

コマーシャルペーパーの購入発動は08年のリーマンショック以来。
既に米企業の債務残高は過去最高に達しており、FRBが購入母体となる事で、手元資金の確保に急ぐ企業に直接資金を供給したい考え。FRBは15日も1%の緊急利下げ+ゼロ金利政策+7000億ドル規模の量的緩和再開を発表していたが、やれる事は最大限やる姿勢から当局の危機感が伺える。

✅米政権「パンデミックの影響は一年半以上続く可能性」
✅ムニューチン財務長官「(迅速に対応せねば)失業率20%に達する可能性」

同長官は上院議員に向け、政府が労働者や企業への対策を迅速に行動しなければ、08年のリーマンショックよりも深刻な事態に陥るリスクを警告した。

✅トランプ大統領「最大1兆2000億ドル規模の景気対策を検討」

先日まで8500億ドル規模の対策を示唆していたが、更に大規模な対策が議論されている。
ムニューシン財務長官は2週間以内に約2500億ドルの小切手支給、後の進捗によっては4週間以内の第2弾となる追加支給案を提示。これら現金支給以外にも、約3000億ドルを中小企業向け融資、約2000億ドルを市場安定化資金、給与税免除が含まれる。

08年のリーマンショック当時ですら7000億ドル規模の緊急予算。
緊急対策そのものが市場安定化に繋がる事は充分考えられるが、予算が大規模な内容になればなるほど「事態の深刻さ」を認識させる。

焦点は1年半以上も続くとみられるパンデミックに対し、政府・金融当局による対策が如何に機能するかであり、発表自体が重要なわけではない。即ち、各国による緊急対応発表と同時に「一気にトレンド転換するかも」なんて焦りを抱える必要はない。

依然日足以上の時間軸で方向性を判断するのは難しい局面。
展開の早い相場は下位足が美しく機能するが、短期売買にコミットする以上、自身が取引する時間軸を見失ってはいけない。

例えると、今回のように日足以上の時間軸で方向性を確信できない段階で、15分足レベルの逆三尊を観て「転換の最安値になる可能性」を考えたりしないという事。

過去幾度となく暴落後持ち直したケースもあり、根拠なき期待を抱く投資家が多いかもしれないが、兎角15分足でチャートパターンが機能しても、あくまで15分足規模の影響力しか見込めない事を前提にエグジットを判断する。

短期トレーダーである以上、テクニカルの売買シグナルやファンダメンタルズに臆し、値動きの優先度を下げる必要はない。その時点でバイアス。如何なる状況も常にフラットな視点で相場に寄り添う事を意識して戦う。


📌重要指標

✅欧州 19時00分 消費者物価指数
✅欧州 19時00分 貿易収支
✅米国 20時00分 MBA住宅ローン申請指数
✅米国 21時30分 住宅着工件数
✅米国 21時30分 建設許可件数
✅米国 23時30分 EIA週間原油在庫統計

 
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