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【USD/TRY】トルコリラスワップ投資に関する考察

ショート
OANDA:USDTRY   米ドル/トルコリラ
※トルコリラ投資を長く続けて、為替差損に対する感覚が麻痺した人のための文章です。
100万円の投資金が為替差損でいきなり60万円になってしまっても「2か月後にスワポで戻るからいいや」と思えない人は読まないほうがよいです。
※IG証券のスワップを軸に話しています。

【クロスリラ分析】
長くトルコ円のロングをしてきましたが、最近クロスリラのショートが熱いことを知り、諸々計算してみました。その結果を共有します。

【結論、激アツ】
2024年1月1日以降のクロスリラの対USD、対EUR、対CHFのショートスワップの平均は以下となります。

USD/TRY:1259円
EUR/TRY:1556円
CHF/TRY:1769円
TRY/JPY:47円(これだけロング)

2020年から今年にかけてスワップが急激に伸びています。
いったい何と相関があるのか、いろいろ調べましたが、結論はシンプルに政策金利差だと思います。
その計算式をTrading View用に作成しました。
100%スワップと合致しませんが、概ねこの計算式でIG証券のスワップと近似値が出ます。コピペで使ってください。

■USD/TRYのショートスワップ計算式
SAXO:USDTRY*(TVC:TR01Y-TVC:US01Y)*100*FX:TRYJPY/365

■EUR/TRYのショートスワップ計算式
SAXO:EURTRY*(TVC:TR01Y-TVC:EU01Y)*100*FX:TRYJPY/365

■CHF/TRYのショートスワップ計算式
SAXO:CHFTRY*(TVC:TR01Y-TVC:CH01Y)*100*FX:TRYJPY/365

■TRY/JPYのロングスワップ計算式
SAXO:TRYJPY*(TVC:TR01Y-TVC:JP01Y)*100/365

上記の計算式を見ればわかるように、政策金利45%のトルコは前代未聞の儲けるチャンスが来ている、ということです。

【しかし注意点】
普通に考えれば上記の計算式で合っているはずなのですが、日々のスワップは、正直言って何が決定要因になっているのかわからない部分もあります。
というのも、2023年9月のUSD/TRYの値を見てみると、1日あたりのスワップが−175円(!)から+1298円まで差があります。
差、ありすぎでしょww
さらに言うなら2022年3月には−4672円(!?)という日まであります。

また、年平均では2022年のUSD/TRYの平均408円/1日ですが、2022年5月に限っては平均748円/1日と、大きく乖離することがあります。
つまり、スワップがいきなり跳ね上がったり、下がったりするリスクがある点には注意が必要です。

【ただし】
トルコの政策金利が25%から30%に利上げされた2023年9月21日からの平均を出すと「USD/TRY :1003円/1日」と、「USD/TRY :1259円/1日」とあまり変わっていません。つまり、政策金利が45%である以上、そこまで大きくは「USD/TRY :1259円/1日」から変わることはないと思います。
そのため、以下の文章はすべて、全通貨上記のスワップがもらえることを前提に執筆しています。

【スワップ比較】
単純な1ロットあたりのスワップを比較するのであれば、1日1769円ももらえるCHF/TRYが最強です。

【リスクを考慮】
しかし、GBPやCHFで怖いのはやはり、急激な価格変動ですよね。いくらスワップ狙いと言っても急激な為替差損でロスカットされてしまっては元も子もありません。
そのため、各通貨でリスクがどれくらいかをATRを利用して計算し、スワップで得られる利益を割ったものが、各通貨の投資効率と考えて良いと思います。

【投資効率最強の通貨ペアは?】
細かい計算方法は省いて結論だけお伝えすると、

USD/TRY:474.7%
EUR/TRY:418.6%
CHF/TRY:302.0%
TRY/JPY:251.8%

となり、なんとUSD/TRYが最強の通貨ペアでした。

【しかし】
トルコリラ投資をしている方には説明する必要もありませんが、USD/TRYは2023年8月からずーーーーーーっと上昇し続けています(表示チャート)。
(こんな人口的なチャートが、まともな相場で形成されるはずがない。人為的なものが入っているとは思いますが、その話は本論と関係がないので後日)

いくら投資効率が良くても、この流れが止まるまでは為替差損が出ることが確定しているような通貨ペアですから、多少投資効率が悪くても今はEUR/TRYのほうが良いと思います。
(余談ですが、2023年9月21日以降、JPY、USD、EUR、CHFでスワップと騰落率を比較すると、もっとも騰落率が低いのがJPYになります。円安ブロックがある分だと思います)

【利益予測】
100万円の軍資金に対してEUR/TRYを1lot(10,000通貨)ショートした場合の月利は(年利ではないですよ。月利です!)は3.57%。その場合の証拠金維持率は886%です。
いくらなんでも保守的ですので、では、ATRが10動いてもロスカットされなければOK!という強気の発想で5lotショートした場合の月利は、なんと17.85%です。
もちろんハイリスクですが、ATR10動いたらロスカット、というレベルまでポジションを取れば、ほぼ5ヶ月で資産が倍になります。
こんな投資効率、他のどんなクラスターでも絶対にあり得ない。

これは金脈of金脈。トルコの政策金利が変更されるまでは投資(投機?)の王様だと確信しております。

【注①】
上記は私の意見で、そもそもの計算間違いがあるかもしれません。
計算間違いがあったら指摘してほしいですし、そうでなくてもあくまで参考までに、投資は自己責任でお願いします。

【注②】
上記のEUR/TRYの話は、ATRを0.2232で計算した結果です。
EUR/TRYは今年に入ってから無風状態です。その無風状態で計算したATRですから、エルドアンがカラハン総裁を急に解任、あるいはもっと最悪なケースでシムシェキ解任なんてことになったら上記の前提は大崩壊し、1日に尋常ではない損失が出る可能性があります。
(トルコリラ戦士の皆さんは、何度か経験しているのでその悲劇を知っていると思いますが、初めての人は、本当に気をつけてください)

【注③】
3月はトルコの地方選挙という特大イベントが控えており、ボラティリティが高まる可能性が大です。
いったん3月の嵐が過ぎ去るのを待つ、というのもひとつの手かもしれません。
(私は1日も早くスワップが欲しいのでリスクを犯して参戦しましたがw)

【注④】
EUR/TRYにすればTRY/JPYからのリスクが100%軽減されるわけではありません。
なぜなら、IG証券の場合、利益はトルコリラ(TL)で計上され、利益を確定させた時に日本円に換算されるからです。
つまり、いまTL10,000を精算すると48,000円。しかし、トルコ円が4円に下がった場合は同じTL10,000が40,000円にしかなりません。つまり、EUR/TRYでトルコに賭け、精算時のTRY/JPYでもトルコに賭けないといけない。ハイリスクハイリターン投資になってしまう、という点には注意が必要です。

以上となります。
何かしらの参考になればm(_ _)m

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