【金(ゴールド)に下落の兆し、ファンダメンタルズとテクニカルの両面から解説】
どうも、トレードアイデアラボの猫飼いです。金(ゴールド)は、現在下落の兆しが見え始めています。先月だけでもインジケータートレーダー数千名の爆死が確認されました。先週の値動きでは、三角保合いの下限を切り下げて終了しましたが、これは対中国元の金価格や金ETFにも共通する動きです。さらに、先物価格も上昇できなくなっていることから、テクニカル的にも金の弱含みが確認されています。
テクニカル的な弱含みの要因
1. 三角保合いの下抜け
先週の金価格は三角保合いの下限を割り込み、下落の兆しを見せました。これにより、これまでの「上昇トレンドの調整」から「下落トレンドへの転換」が意識されやすい状況です。
2. 金ETFの同調的な動き
金ETFも同様の動きを見せており、投資家のリスク回避行動が示唆されます。ETFは機関投資家の影響を受けやすく、彼らの動きは市場の先行きを映し出す鏡のような存在です。
3. 先物価格の上昇が鈍化
金の先物価格も、これまでのような上昇の勢いが見られなくなりました。通常、先物価格は現物市場の先行指標となるため、先物の上昇が止まるのは、将来的な金の需要が後退するサインと考えられます。
ファンダメンタルズ的な要因
金の下落は、テクニカル面だけでなくファンダメンタルズ的にも明確な根拠があります。
1. BRICS通貨の動向と中国の金爆買いの終焉
これまで、中国は「脱ドル」を目指すBRICS諸国の盟主的存在として、金を大量に購入してきました。その理由は、BRICS通貨の価値の裏付けとして金の保有量を基準にする方針があったからです。これが金の需要を押し上げ、価格の高騰を支えてきました。
2. トランプ大統領の姿勢転換
ここで新たな動きが出てきます。トランプ大統領の復帰が想定される中、米国は“脱ドル”の動きに強く反発しています。彼のスタンスは明確で、
• 米ドル以外の通貨は許さない
• 金の購入を認めない
• これからはビットコインだ
という姿勢が鮮明になっています。この政策的な圧力は、BRICS諸国の金需要を減少させ、金の価格に下押し圧力をかける要因になります。
3. ビットコインとの逆相関が明確化
これまで、金とビットコインは逆相関関係にあるとお伝えしてきましたが、今まさにその構図が表れています。トランプ氏の影響もあり、ビットコインは現在非常に強いトレンドを形成しています。これは、資産の避難先が金からビットコインに移りつつあることを意味します。資金の流れが金からビットコインへとシフトしていけば、金はファンダメンタルズ的にも弱含みとなり、テクニカル的な下落トレンドが鮮明になるのは当然の流れといえるでしょう。
まとめ
• テクニカル面では、三角保合いの下抜け、金ETFの動き、先物価格の上昇鈍化が、金の弱さを示唆している。
• ファンダメンタルズ面では、中国の金爆買いの鈍化、トランプ大統領の脱ドル政策、ビットコインの強さが金の売り圧力を強めている。
• ビットコインと金の逆相関が鮮明化しており、今後は**「金 vs ビットコイン」**の構図が一層際立つ見込み。
今後の注目ポイント
今後は、金の下落トレンドがどこまで続くか、そしてビットコインの上昇がどこまで続くかが焦点になります。これまで金を避難先資産としてきた投資家が、ビットコインへのシフトを加速させる可能性があるため、今後は金とビットコインの逆相関がさらに強まるでしょう。
「金からビットコインへ」──これが今後の新しい資産の流れです。