BTCUSD先週、実質金利は直近の最高値である2%まで再び上昇しましたが、これは超えずに1.95%で週を終えています。2%は超えなかったものの、高い実質金利を維持しており、乖離率はかなり上ザヤとなっています。従って、利下げの時期が見えてこない限りはビットコインやゴールドにとっては上値が重い展開が続くと見るべきでしょう。
米長短金利差は反発傾向を維持しているものの、横ばいとなって継続的な上昇には繋がっていません。但し、乖離率はもう少しで過去最高の下ザヤ水準となっているためサポートにはなりやすいですが、この材料だけでは、これらのポイントのように大きな反発には繋がりにくいです。米社債長短金利差は大きく下落しているわけではないですが、まだ下落傾向が続いているため、ビットコインが上昇転換するためには、これが、この下降トレンドラインを上抜けて上昇する必要がありそうです。乖離率は若干の上ザヤですがほぼニュートラルとなっています。もし、米社債長短金利差が再び下落に転じるのであれば、これはビットコイン上昇の足を引っ張る材料となります。
法定通貨流動性は上昇しており、ステルス緩和が先週から続いています。FRBはまだ表では利上げに対してタカ派姿勢を見せているものの裏では2週連続でステルス緩和を行っていることから市場のサポートに回っている様子が伺えるため、これは株式やビットコインにとってはポジティブだといえます。
アセマネの大口と小口のロングショートポジションですが、大口のロング先週よりも若干減少はしているものの、まだロングは積まれすぎの状況となっており、この水準付近まで低下しないと、上昇すれば「やれやれ売り」が入り上値が重くなりやすいです。ショートはかなり積まれ始めており、先週も述べた通り中長期では上昇を見込んでいるものの、短期では下落に備えてショートヘッジを行っている様子が伺えます。ここまでショートが積まれたのはこのポイントである2022年9月6日以来となっており去年のFTX破綻前のような動きになる可能性が高いといえるでしょう。小口はまだロングに対してそこまで強気ではなく、むしろ先週よりもショートを増加させているため、ショートバイアスになりつつあります。これらのポイントのように今後さらにショートが積まれるようであれば上値は重くなりやすいように見えます。
ファンドの動向は、25793ドル近辺で大口も小口も大量にショートを積んでおり、現在はほぼ同値付近ではあるものの、この価格を下回っていることから下押し圧力がかかりやすいといえます。逆にここを超えてくるとショートカバーが発生しやすいです。25793ドル近辺では小口も大口もショートを積んでおり、現在はここをしたまわっていることから、下押し圧力がかかりやすいです。大口と小口の直近3週間ショート平均が26534ドルとなっていることから、26495~27185ドルを上抜けないとショートカバーで一気に上昇は起こりにくそうです。
その一方で、先週と同じで23690~25660ドルには小口と大口の去年の11月からのロング平均が集積していることに加えてほとんどの指標に対して下ザヤとなっており、買いを示唆するサインの方が多いことからサポートになりやすいと言えるでしょう。また、ここには日足の365SMA、週足の50SMAも位置しています。
今のところはほとんどの乖離指標も下ザヤとなっており、CMEの取組高も上昇トレンドラインまで下落していることから大きく下落する展開は想像し難いですが、万が一26495~27185ドルを下抜けた場合はロングのロスカットが入り、21340~22580ドルまで下落する可能性があります。しかし、大口はまだロングを大量に積んだままとなっていることから26495~27185ドルでは上値が重くなる可能性がありますし、ここを上抜けてショートカバーが起こっても277750~29030ドルでは一旦上値が抑えられる可能性が高いと見ています。前述したようにもうしばらくは大きな動きにつながらず、FTX破綻前のような動きとなって、底値圏でダラダラとした動きになりやすいでしょうか。