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米30年国債先物と日本円通貨先物の関係

教育
CBOT:ZB1!   米長期国債先物(当限つなぎ足)
https://jp.tradingview.com/chart/cnZw6C4P/

通貨先物はFXトレーダーにとって意外と馴染みが薄い商品のようです。

第二次世界大戦後、ブレトンウッズ体制が国際通貨体系として確立されました。この体制では、各国の通貨は金とドルに対して固定相場で管理されていました。しかし、1971年にアメリカが金本位制を終了し、ドルと金の交換を停止しました。これにより、為替相場は浮動相場制に移行し、通貨の価格は市場の需給に応じて変動するようになりました。

ブレトンウッズ体制の終焉により、企業や金融機関は外国為替リスク(為替レートの変動リスク)に直面するようになりました。特に、国際取引を行う企業は、通貨相場の変動によって収益やコストが影響を受けることが懸念されました。

このような状況下で、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が1972年に最初の通貨先物を導入しました。最初は、日本円と英ポンドの米ドル建て通貨先物でした。これにより、企業や投資家は将来の特定の日付における通貨価格を確定することで、外国為替リスクから保護される手段が提供されました。

1972年から取引されている日本円通貨先物ですが、90年代には入り、シカゴの先物取引所、CBOTで米30年国債先物が活発に売買されるようになり、場立ちトレーダーが日本円通貨先物、そして、ドル円の動きに目を向けるようになりました。それは、日本の機関投資家が米国債投資を積極的に行うようなり、貿易とは違う金融商品の為替変動率を管理する必要性が高まったからです。

今でもチャートのように、米30年国債先物(Tbond)と日本円通貨先物は順相関の関係を維持しています。

米国債価格が上昇すると、日本円価格も上昇する傾向にあります。これは、米国債は安全資産と見なされており、リスク回避の動きが起こると、投資家は米国債に逃避する傾向にあります。また、日本は米国債の最大の保有国であり、米国債価格が下落すると、日本円の需要が減少し、円安につながる可能性があります。

米30年国債の価格は、アメリカの金利動向に影響されます。米国の金利が上昇すると、国債の利回りが上昇し、これによって米30年国債の価格が下落する傾向があります。一方、日本円通貨先物価格は、日本の金利水準に影響されます。したがって、米国と日本の金利動向が似通っている場合、両者の価格は順相関する可能性があります。

Tbondのトレードポイントは北米取引時間帯では日本円通貨先物の動きを追うように動きます。そのため、Tbondは日本円より少し遅れて動いています。

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