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【クロス円】50年サイクルで考えるクロス円の未来予測(超長期編)

FX_IDC:EURJPY   ユーロ/円
この投稿では、過去50年のクロス円相場の動きを基に、数年〜数十年スパンでのクロス円の今後について考察してみたいと思います。
クロス円も様々な通貨ペアが存在しますが、ユーロや豪ドル、ポンドといったメジャー通貨とのペアに関しては概ね似通った動きをしているため、ここではユーロ/円を例として取り上げます。

未来予測なんていう風に大々的なタイトルを冠していますが、手相を読むような感覚で書いていますので
相場のサイクルや波動理論に興味のある方はお付き合いください。

考察のために用いるのは値動きとエリオット波動理論です。


目次
ユーロ円の超長期相場サイクル
エリオット波動
まとめ


ユーロ円の超長期相場サイクル
チャートは1973年からの長期月足です。(ユーロ導入前はドイツマルク/円)



全体構造
まず全体を大きな構造として捉えると、1973年の円の変動相場制への移行、1985年のプラザ合意を経て、1980年から2000年まで大幅な円高が進行します。(チャート左側: 円高フェーズ)
そしてそこから円高フェーズ最後の戻り高値である160円水準(オレンジの丸)をブレイクする高値ブレイクの上昇の動きが出て169円を記録(チャート中央: 高値ブレイクフェーズ)。
その後は一度大きな下落を経験するも2000年につけた史上最安値を割ることなく、長期保ち合い状態が続きます。(チャート右側: 保ち合いフェーズ)
2021年に入ってまもなく、約10年続いたこの持ち合いをブレイクし、今日まで続く上昇が発生しているという状況です。


この一連の流れからはっきりとわかることは、
1980年から2000年まで続いた長期円高トレンドがトレンド転換しているという事実
です。

このトレンドの転換に着目して、
・1980年から2000年を円高フェーズ
・2000年以降を円安フェーズ
と区切ります。


エリオット波動
上記の流れをエリオット波動の観点で捉えると、
①1980年から2000年に史上最安値をつけるまでの下落が下降5波動(ブラック(Ⅰ)-(Ⅴ))。
②円高フェーズ最後の戻り高値(オレンジの丸)をブレイクする波が、下降5波動に対する修正波(a)波
③2007年から2020年末にかけての保ち合いが修正波(b)波 ((b)波はトライアングル)
④保ち合いブレイクにより修正波(c)波が推進中
と観ることができます。


次に時間推移を見てみます。


時間推移
円高フェーズである1980年から2000年までは約20年間。
円安フェーズの開始である2000年から2021年始めに保ち合いブレイクするまでやはり20年間と、円高フェーズと同等の時間がすでに経過しています。(チャート上のグレーの縦線2)

さらに円安フェーズの中の動きを見てみると、
1. 高値ブレイクフェーズで約10年
2. 保ち合いフェーズで約10年
かかっています。

現在は保ち合いを放れた、”保ち合い放れ上昇フェーズ”にありますが、
高値ブレイクの1波、保ち合いの2波を経て、保ち合い放れからの上昇3波が一番伸びることが多いというのはよく知られたエリオット波動の特徴です。(レンジブレイクに同じ)
ここまで10年-10年と推移していることから考えても、最近始まった”保ち合い放れ上昇フェーズ”が10年規模の上昇となるのではという予測は、これまでの流れに沿った自然な考え方と言えるのではないでしょうか。


超長期ではどこまで上昇し得るか?
ではこの”保ち合い放れ上昇フェーズ”はどの程度上昇し得る可能性があるかという点ですが、
前述のエリオット波動で記載した通り、円安フェーズ(abc波)を円高フェーズの調整と捉えるならば、(あくまでチャート的観点では)円高フェーズの下落幅の半値水準、185円近辺まで、10年近くかけて上昇してもおかしくないのではと見ています。
1ユーロ185円というと、確かにここ数年のレートから見れば大幅な円安ですが、30年前には存在していたレートです。1ユーロ50円のように過去存在しなかったレートではありません。


まとめ
さて、エリオット波動理論には相場は50年-70年単位で一つのサイクルを形成するというスーパーサイクルという考え方があります。
現在の持ち合い放れ上昇フェーズがおよそ10年で終了すれば、円高フェーズが始まった1980年からちょうど50年。
現在はその50年規模の超長期サイクルにおける終盤に入り始めたところなのかもしれません。


今回は超長期編ということで、50年規模の単位で今後の動きを予測してみましたが、超長期の観点から大切な視点は
・円高のフェーズが終了し、円安のフェーズへと移行していること
・円安フェーズも、10年続いた保ち合いをブレイクしたばかりであり、最近の円安はまだまだ序盤の可能性があること(保ち合い放れにつけの相場格言通り)
ではないでしょうか。


次回(があれば)中長期編ということで、一段下の時間軸の動きを見ていきたいと思います。



■”なぜ”がわかる相場分析
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