2023年も(欧米基準では)第三四半期·下半期に突入したということで、今回は2023年下半期のドル円見通しについて共有したいと思う。 基本的には、昨年末に投稿した2023年ドル円見通し、2月に投稿したアップデートの流れを引き継ぐものであるが、より最新の情勢を踏まえて上限と下限の目処を修正した。(過去投稿のリンクは下記を参照) 現状確認 チャートはドル円の月足である。 まず上半期の動きから振り返ってみると、過去半年は年初につけた127.20円を下限、6月末につけた145円を上限とするレンジ内で動いている。(チャートの破線水平線) また、この下限の価格は2021年から2022年までドル円が上昇した時の半値でもある。 下半期の上限・下限目処...
マイ・フェイバリット・ペアであるオージーニュージー(AUDNZD)の長期トレードのシナリオです。 月足ベースなので、数ヶ月から数年スパンを念頭に置いた、ポジショントレードに近い位置付けのものとして書いています。 環境認識と長期での相場の流れ 月足 オージーニュージーは2014年ごろから、チャート上部に示した通り金利差非連動の動きや中国の景気減速懸念といった材料を受けて豪ドルが圧迫される相場展開が継続していました。(チャート上、丸文字A-Eで現した三角持ち合い部分に相当) ...
ドル円が昨年2022年9月につけた143円を突破し、145円以降の水準が再び射程に入りつつある。 2023年4月以降約3ヶ月にわたってドル円はほとんど大きな下げを経験することなく円安方向の動きが継続しており、今後の動向が気になっている方も多いであろう。 そこで今回の投稿では投機筋ポジション動向から読み取ることができるドル円の底堅さの理由を共有したいと思う。 ドル円週足 以下のチャートはドル円週足にCFTC(米商品先物取引委員会)が公表している投機筋のポジション動向を重ねたものである。 (紫が円ショート、緑が円ロング、青がネットポジションの推移) ...
米国株の代表指数であるS&P500が昨年10月につけた安値から20%上昇し、強気相場入りを果たしました。 このまま強気を維持して最高値を更新するまでに至るのか気になっている方も多いかと思います。 そこで今回は、過去に弱気相場から強気相場への転換を果たし、そのまま最高値を更新したケースがどのくらいあるのかを調べた結果をシェアしたいと思います。 S&P500 月足(1974年〜)...
ユーロ円が昨年2022年10月にドル円が152円手前まで上昇したときの高値を更新し、8年ぶりの新高値をつけた。 ユーロ側は、ユーロ圏の根強いインフレに伴うECBのタカ派姿勢と中国経済回復や資源価格の落ち着きにサポートされたユーロ買い、一方の円側は、植田日銀総裁の緩和継続スタンスを受けた円売りによってユーロ円の上昇圧力になっているようである。 ユーロ円週足 ...
今回の投稿では昨年末に投稿したアイデア「【ドル円】2023年の見通し」(リンクは下記)のアップデートとして、 これからのドル円相場の中期的見通し(数週間~数ヶ月)を共有してみたいと思う。 Ⅰ.現状認識 日足 まず日足の状況整理をすると、以下のチャートに示す二つのレンジ幅を見ている。 赤のレンジ:132.50を上限とする中レンジ(下限は1月安値127.20) 青のレンジ:134.50を上限とする大レンジ(下限は上に同じ) 昨年10月からのドル円の下落トレンドは、1月中旬につけた127.20の安値を割ることなく現在2023年2月上旬まで来ており、 このことから10月からの下落トレンドの底値圏としてのレンジを形成していると見ることもできる。 Ⅱ.現在の状況をどう見るか...
欧州株の勢いが止まりません。 米国株が弱気相場から抜け出すのに四苦八苦しているのに対し、欧州株は昨年後半から非常に力強い動きを見せています。 英国のFTSE100はすでに昨年高値を更新、他の主要欧州株価指数も2022年の下落の8割近くを戻すなど、指数によっては最高値試しの動きが射程圏内に入ってきています。 この投稿ではなぜ欧州株はそこまで強気なのか、主要欧州株価指数のチャートとともに4つの理由を解説していきたいと思います。 ■ 主要欧州株価指数(全て週足) まずは主要指数のチャートです。 ユーロストックス50(欧州)...
皆さん、明けましておめでとうございます🎍 新しい年が始まったということで、今年一年の目標を新たに考えたり、昨年のトレードへの取り組み方を振り返ったりする方も多いのではないでしょうか。 今回は、特にビギナーの方向けに、効果を高めるトレードノートの書き方とノートに書く項目の例をシェアしたいと思います。 何をどのように書けば良いのかわからない方や、毎回三日坊主で終わってしまうという方、いまひとつトレードノートをつけるモチベーションが湧かない方々にとっては書く動機付けにもなると思います。 ■トレードノートの重要性 トレードノートを書く重要性は以下の二つに集約できるでしょう。 1.トレードの分析...
今回は今年最後の投稿ということで、ドル円の2023円の見通しについてテクニカルとファンダメンタルの両観点からの考察を共有してみたいと思う。 2022年は歴史的に円安が進行した一方で、年末まで後少しというタイミングで突如日銀からYCC(イールドカーブコントロール)の修正が発表されるなど、ドル円にとっては怒涛の一年であった。 この一年を受けて来年はどのような動きが考えられるのか、気になる方も多いかと思うので参考にしていただければ幸いである。 テクニカル チャートはドル円月足である。 ...
現在仮想通貨全般が弱気相場の中にあるが、実はこの弱気相場はかなり長く続くのではという可能性を考えてみたいと思う。 タイトルにある通り、冬どころではなく、氷河期規模になるのではというものだ。 以前投稿したアイデア「【ビットコイン】大幅調整期は来るのか?過去10年の動きから見る上昇と調整のサイクル」(下記リンク参照)では、ビットコインの過去10年間の動きには 2-3年サイクルで上昇と80%ほどの調整が続いているという特徴が見られることを紹介したが、これはこれで一つのシナリオとして引き続き想定する一方で、今回はアナザー・ストーリーとしてもう一つのシナリオを考えてみたい。 (なおこのアイデアは、決して昨今の取引所破綻を始めとするネガティブなニュースを受けてのものではなく、純粋にチャートを基にしたアイデアである。) ...
以前投稿したコツコツドカンに関する投稿(下記リンク参照)が多くの方の好評を頂いたので、今回は関連したテーマで、チキン利確を防ぐにはどうしたら良いかという点で僕なりの見解を共有してみたいと思います。 コツコツドカンの投稿では、損失側と利益側に分けて原因を分析してみるというアプローチを紹介したのですが、今回はその利益側の原因に関する内容です。 恐怖がチキン利確を駆り立てる...
ドル円は10/21の高値を更新できない日々が続いています。 先週はFOMCと米国雇用統計という2大イベントがありましたが、それら二つを消化してややドル安方向に動いており、ドルのスピード調整といった様相が継続しています。 これまでも一時的に円高&ドル安方向に振れる調整場面がありましたが、日足の動きを見ていくとなかなか面白い傾向が見られるため、今回はタイトルにある通り、ドル円の日足チャートで見られるサイクルについてシェアをしてみたいと思います。 2021年からのドル円の日足です。 ...
Bloombergに興味深い記事が載っていました。 日本政府が介入に踏み切る”過度な変動”は前日比で1.2%超円安が進んだ時なのではないか?という推察です。 (URL等投稿内では紹介できないので気になった人は検索してみてください。) なるほど、確かに介入に踏み切るべきかどうか内部で判断するにしても、何らかの基準があった方が意思決定はしやすいでしょうし、そうした基準が存在するのかもしれません。 ということで記事の中で触れられていることを、代理検証シリーズとして共有したいと思います。 以下のチャートはドル円の日足に、介入と介入が疑われる動きをプロットしたものです。 日本政府がオフィシャルに介入と認めているのは9/22のみですが、それ以外に10/21のNY時間と10/24のオセアニア時間に4,5円近く動いた変動含め3つ記載...
今回は今個人的に注目している通貨であるスイスフランについて、注目する理由と通貨ペアを共有したいと思います。 スイス中銀ショック...
7月の米国CPIが発表されました。 結果は予想を下回ったものの、以前インフレは歴史的に非常に高い水準にあります。 一方の市場関係者の見方はというと、インフレはもうピークを打ったとの見方や、利上げのピークはまだと見方が分かれているようです。 株価の反応に目を向けると、7月のCPI発表当日のS&P500が日足の戻り高値を終値ベースでブレイクするという強気な形で終了。 さらにその翌々日には年初からの下落の半値戻しラインを、同じく日足の終値ベースでブレイクしています。(下記チャート) ※週足終値でも同様 SP500日足、直近の動き ...
米国のGDPが2四半期連続でマイナス成長率となり、数字の面ではリセッション入りとなりました。 厳密にはリセッション入りしたかどうかは、米国の専門家の協議を経て決まるそうですが、ここではGDPという数値だけで見たテクニカルリセッションという意味で取り扱いたいと思います。 さて、今回の投稿では過去のリセッション局面では株価がどのように動いたのか、特に最高値を更新するまでの期間、昨今の市場の関心であるインフレと政策金利に焦点を当て、SP500を題材にしてその傾向を分析した結果をシェアしたいと思います。 直近数週間、米国株は上昇を続けていますが、これが単なるあや戻しなのか、それとももう底を打ってこれから最高値を更新するような上げとなっていくのか気になっている方もいるかと思いますので、参考になれば幸いです。 結論は、 インフレ...
米国10年国債利回りが大幅に低下することでドル円上昇のけん引役であった日米長期金利差が縮小し始め、ドル円も140円手前を一旦のピークにして下落に転じてきています。 この投稿では、日米長期金利差の拡大・縮小がドル円の変動幅に与える影響度を過去20年の動きから調べた結果を共有したいと思います。 結論を先に書いてしまうと、 ・日米長期金利差は、金利差拡大の場合にドル円上昇には大きく寄与する一方で、縮小の場合はドル円下落には”金利差拡大の時ほどに”影響しない という傾向が見られます。 ドル円週足 以下のチャートはドル円の週足に、日米長期金利差(10年国債利回り差)(上から2段目)、ドルインデックス(上から3段目)を表示したものです。(最下段は日米の政策金利) 上から2段目の金利差のところは、 ...