US10Yのトレードアイデア
【コラム】車の運転とトレンド転換は似ているこの投稿では車の運転とトレンドの転換は似ているというテーマで書いてみたいと思います。
・エントリーが早いんです
・損切りした後に思った方向に伸びていくんです
という方は意識してみると良いかもしれません。
図解
車を運転する方にとっては当たり前の話ですが、車が曲がるときは、
①カーブが近づくにつれて徐々に減速し
②低速で曲がり
③出口が近づくにつれて、徐々にアクセルを踏み加速
という行動を自然に取っていると思います。
相場においてトレンドが転換する時というのは、この車が曲がる時に非常によく似ています。
下降トレンドから上昇トレンドへの転換を例に取ると、
①下がる
②止まる=>
・安値更新しない
・レンジになる
・チャートパターン(Wボトムや逆三尊)が形成される
③上がる
という3ステップでトレンドは変わっていきます。
こうやって文字にすると簡単に見えますが、実際には早いエントリーに悩む多くの人が①で買ってしまいます。
そして含み損に耐えられなくなって損切りすると、その後思った方向に伸びていくという事象が起きます。
これは車の運転で言えば、十分に減速しないでカーブに突っ込むようなものです。
数千億円、数兆円という資金を投じることのできる機関投資家であれば、下がっている流れを止めることはできるかもしれませんが、僕ら個人投資家が下がっているところで買ったって、それは走ってくるダンプカーをうちわを扇いで止めようとしているようなもの。
ダンプカーに立ち向かうのは武田鉄矢さんだけで十分です。
車は急に止まれない(曲がれない)のと同様に、トレンドは急には変わりません。
しっかりと②止まるのを待って、③上がっていくところで買っていけばいいわけです。
上位足でのトレンド転換を狙うときはもちろん、押し目買い/戻り売り(=下位足でのトレンド転換)の時には、
「俺、下がってるところで買ってない?」
「私、止まったの確認したっけ?」
って自問自答するだけでも、だいぶ無駄なエントリー・早打ちをなくすことができるはずです。
【コラム】前回のFRBテーパリングで市場はどう反応したのかを振り返る(米国10年債利回り/ドル円/S&P500/ゴールド)FRBのテーパリング早期化懸念が市場を不安定にする日々が続いています。
実際にFRBがテーパリングの議論を開始したり、テーパリングそのものを開始したらどういう動きが想定されるのかが気になったので、前回リーマンショックからの金融緩和を経たテーパリング時のチャートの動きを振り返ってみました。
過去にどのような反応があったのかを知れば、今後行われるテーパリング時のマーケットの動きに対応する準備とすることができるでしょう。
この投稿では米国10年債利回り、ドル円、株価(S&P500)、ゴールドの4つに絞って取り上げます。
まずは米国10年物国債の利回りからです。
【米国10年物国債の利回り】
過去20年間の月足チャートに主要出来事をプロットしたチャートです。
今回着目するのはリーマンショックからバーナンキショックまでのあたりです。
リーマンショックによる世界的金融危機を受けてFRBは利下げを敢行。
以降2012年年末まで利回りが低下していることが確認できると思います。
ところが、2013年5月、当時のFRBバーナンキ議長が予期せぬタイミングでテーパリング実施を示唆。
バーナンキショックと呼ばれるこの発言を受けて、利回りは急上昇し一時3.0をつけるまでになりました。
しかし、実際にテーパリングが始まると利回りは緩やかに下り始め、2014年末には2%台前半にまで下がる動きとなりました。
バーナンキ議長の発言を受けて一時的に市場は動揺したものの、結果的にテーパリング開始を織り込む形になったと見られているようです。
近い将来FRBが再びテーパリングを行う場合、事前に市場とコミュニケーションを十分に行えるかどうかがポイントと言えるでしょう。
【ドル円】
ドル円の月足に米10年国債利回りのチャートを重ねています(オレンジのライン)。
ドル円はバーナンキショックの直後から2015年6月にかけて125.90円まで急上昇。
利回りとの相関を見ると、利回りが3.0に上昇する過程ではドル円も連れ高で上昇しています。
一方、FRBが実際にテーパリングを開始してしばらくの間はドル円は横ばいで推移するも、後半から再び急上昇する形となっています。この背景には2014年10月に日銀が追加緩和実施を決定したという事実があり、これを受けてのドル高・円安で急上昇となったと見られています。
【S&P500】
米国株の3大指標の一つS&P500の動きを週足で見てみます。
バーナンキ発言のあった2013年5月22日を境に一時的に下落はしているものの、同年7月には直近高値を更新する形となり、以降2013年末まで上昇を続けます。
テーパリング開始後も暴落というような大きな下落はなく、途中途中で調整の下落は挟むものの、2015年7月まで上昇が継続する形となっています。
こちらも利回りと同様にテーパリングが織り込み済みとなって上昇していったと捉える向きが強いようです。
【ゴールド】
最後は最近力強い上昇を続けているゴールドの動きを月足で見てみます。
リーマンショック直後こそは下落したゴールドですが、その後FRBが打ち出した金融緩和によりゴールドは急上昇。2011年9月には当時の最高値である1900ドルを超えるところまで上昇しました。
その後も高値圏での推移を続けますが、転機となったのがやはり2013年5月のバーナンキショック。
金融緩和の終わりが告げられるとともに、ゴールドは急落。2015年12月に約1000ドルで底を打つまで下落を続けました(安値(c))。
その後は高値と安値を徐々に切り上げながら、現在まで続く新たな上昇トレンドのサイクルにあります。
リーマンショックによる、
景気後退=>景気回復のためにFRBが米ドルを大量供給=>ドルが市場に溢れ世界的なドル安に=>ドルの価値低下で世界共通の価値保存手段としての側面を持つ金に注目が集まる=>金の価格が高騰=>景気が落ち着いたのでドルばら撒き作戦終了=>金の価格が下落(元の適正価格へ戻る)
というサイクルは、コロナショック以降の動きと同じと言って過言ではないでしょう。
この動きを見ると、FRBの将来のテーパリングの議論開始や実施時期の前倒しがオフィシャルになれば、直近のゴールドの上昇トレンドにとって大きく立ちはだかる壁となり得るということが推測できます。
さて、いかがでしたでしょうか。
今回は米国10年債利回り/ドル円/株価(S&P500)/ゴールドの4つを取り上げてみましたが、みなさんが普段投資している金融商品のチャートではまた違った動きが見て取れるかもしれません。
歴史は繰り返すとも言いますし、過去の動きを学ぶことで未来への備えにもなるのではないでしょうか。
【ダウ予想】34000ドル台をキープしながら、再び35000ドル台を目指すのか?【2021年5月17日-21日】前週は、月曜日に35000ドル台を超え高値を更新したものの、その後CPIショックもあり約1800ドル幅も下落しました。
セルインメイ、さすがにここから調整かと思いきや、なんとそこからV字回復。34000ドル台をキープしながら、再び35000ドル台を目指す可能性も出てきました。
この流れを見ると、もうしばらくは押し目でロングしていた方が、勝率高くなりそうです。米長期金利上昇、インフレ懸念、テーパリングなどを警戒しながらも、引き続き上目線でトレードしたいと思います。
■主な予定
※引き続き、決算発表あり
※特に大きな経済指標はない(?)
5/17(月)NY連銀製造業景気指数
5/18(火)住宅着工・許可件数(4月)
5/19(水)米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月27・28開催分)
5/20(木)景気先行指数(4月)
5/21(金)中古住宅販売件数(4月)
TradingViewでは同時に複数のチャート表示が可能です。
NYダウ(US30)、(S&P500)、ナスダック(US Nas100)、米国債10年利回り(US10Y)の4つのチャートを同時に表示させてみました。
※無料プラン1つのみ、PROプラン最大2つ、PRO+プラン最大5つ、PREMIUM最大8つまで表示可能だそうです。