トレンド分析
1.7兆円の大赤字のソフトバンクグループ(9984)ソフトバンクグループ 日足
株価のチャートとファンダメンタルズの推移の違いというのは、非常に興味深いと言わざるを得ません。
なぜなら、昨年ソフトバンクグループの最終利益はざっと5兆円という過去最高の利益だったにもかかわらず、そこから、株価は急反落していきました。
過去最高の利益というものをマーケットは決算発表のときには、株価に織り込まれていたということでしょう。
そして、決算発表が行われると、「知ったらしまい」で売られて一気に下落していきました。
次に、先日1.7兆円の大赤字の決算を発表したら、今度は株価が急反発しました。
まだ、下降トレンドの流れは変わっていませんが、大赤字の決算発表の後に株価が上昇すると動きもファンダメンタルズでは、読み取れない動きです。
なので、チャート分析に基づいて分析することが大事ですよとお伝えしておきます。
では、そのチャートを見ると、ここからは非常に重要な局面になってきていると言えます。
なぜなら、3月15日の安値(4210円)が一番底になれば、トレンド転換の可能性が浮上するからです。
一方で、底抜けすれば、反転が遠のくということになります。
ここからの動きに注目していきましょう。
円安/ドル高の恩恵を受ける日本の米国株投資家2022年に入り、米国株は大きく下落していますが、
ドル建て資産を円換算した場合の評価額は、ドル建てほど大きく下げていません。
言うまでもなくこれは円安/ドル高が進行しているためです。
円建てによる米国株インデックスファンド(為替ヘッジ無しタイプ)はこのチャートの赤ラインのようになっています。
また、マネックス、楽天、SBIなどの証券会社の外国株口座で直接ETFを買っている場合も
預け入れ資産の円換算パフォーマンスは同様になっているはずです。
米国株投資では為替変動はあまり気にせずドル建て資産を増やしていくのがもちろん一番大事ですが、
私たち日本人は最終的には日本国内で円建てで資産を現金化して使うので、
円建て換算によるパフォーマンスアップがあるとさらに良いですね。
円安ドル高のメガトレンドが続く間に、本資産である米国株の回復に期待しています。
昨日、FOMCの「真の重要点」まとめこんばんわ。
今回は昨日発表された、FOMC決定内容について「真に重要な点」をまとめて行こうと思う。
「0.5%の利上げが行われた」、「毎月950億ドル規模の資産償却が決定された」等々、表面的なことではなく、この結果がマーケットにどのような影響を与えていくかを考察していきたい。
まず、昨日発表に発表されたFOMCの最重要点は何と言っても「QT」、FRBバランスシート縮小に関する実施内容の取り決めだ。
昨日発表された「QT実施内容」の影響力を理解するために、昨日発表のQT実施内容と前回2017年に実施されたQT内容を比較し整理していきたい。
以下、いくつかの点について今年に実施されるQTと、前回2017年実施のQT内容の違いをまとめていく。
———————-
①
「今年QT」
償却最大規模:950億ドル
「2017年開始QT」
償却最大規模:500億ドル
②
「今年QT」
現時点FRBバランスシート残高:約9兆ドル
「2017年開始QT」
当時FRBバランスシート残高:約4兆5000億ドル
③
「今年QT」
バランスシートに占める月最大償却比率:
950億ドル ÷ 9兆ドル = 約10%
「2017年開始QT」
バランスシートに占める月最大償却比率:
500億ドル ÷ 4兆5000億ドル = 約11%
※今回と前回BS残高に占める償却額パーセンテージはほぼ同値である。
④
「今年QT」
月額目標、最大償却額に達する期間
6月開始 → 9月到達(4ヶ月)
475億ドル → 950億ドル
「2017年開始QT」
月額目標、最大償却額に達する期間
10月開始 → 9月到達(1年)
100億ドル → 500億ドル
―――――――-
以上が重点となる。
重点①、②、③の内容はまとめて整理できる。
まず今回のQT月額の償却目標額は950億ドル、前回QTの月額500億ドルから見ると倍額の規模である。
但し、バランスシートに占める償却割合であれば、今回と前回に大差はない。
(③の償却規模のパーセンテージを参照のこと)
重点①、②、③をまとめるとFRBの今回、月950億ドル償却目標額は前回QTと同等のパーセンテージから算出していることが伺える。
では、今回のQTに対する懸念は2017年と同等に見てよいのかというと、それは重点④から異なることが分かる。
重点④を整理すると、
前回QTは初動100億ドルから始まり、目標の月500億ドルの償却に達するまでに実に1年の歳月を掛け慎重に行われた。
対して、今回QTはわずか4ヶ月で475億ドル → 950億ドルと最大の目標償却金額に達するハイピッチの金融引き締めであり、2017年前回QTを上回る過去最大の金融引き締めとなることが浮き彫りとなる。
今回QTが果たして、各マーケットにどれほど重大な影響を与えるかは未知数である。
ではまずは、少なくとも今回よりは影響の小さかった2017年QTがどれほどの影響を債券市場に与えたのかを見ていきたい。
———
これまでのトレーディングビューへのアイデア投稿で、米国債価格とは「将来の金利予測」を元に価格が決まることをご説明した。
今回ご説明するのは、米国債価格決定のもう一つの重要な要因についてだ。
結論から言うと、今回は米国債価格決定要因「リスクプレミア(需給)」について理解してもらいたい。
米中長期(ちゅうちょう期、中国国債ではない)国債の価格は以下要因によって決まる。
米国債価格 = 「将来の金利予測」 + 「債券市場のリスクプレミア」
以下チャートをご覧いただきたい。
このチャートは前回2017年QT実施時に、どれほど米国債市場が「リスクプレミア」を要求したのかを表している。
(※算出方法:「米5年国債利回り」 − 「2019年末政策金利予測」)
このチャートから分かることは2017年10月から、まずは100億ドルの規模から前回QTが開始された訳だが、翌年2018年2月に米国債市場において大きな「リスクプレミア」の要求・上昇が起きている。
当時もマーケットの大きな関心事であった「QT」だが、米国債市場し始めるまで3-4ヶ月平穏な期間を過ごした。
このことを言語化するのであれば、以下のようにまとめられる。
※前回2017年のQTでは開始初動は平穏に終えたが、実施後3-4ヶ月後あたりから米国債市場は「QTヒステリック」を起こし債券価格下落(金利上昇)を起こした。
※当時も開始から注目されていた「QT」だが、米国債トレーダーは実施3-4ヶ月後から初めて「リスクプレミア」を要求することを思い出した。
つまり前回QT開始後、3-4ヶ月は何事も無く思えたが3-4ヶ月後、想像に容易くQTを嫌気し国債価格の下落(金利の上昇)を見せた。
と言うことが過去から分かる。
これは過去、前回2017年のQT分析から分かる、過去の分析だ。
—
話を戻そう。
今年来月、6月1日より開始されるQT規模はそのスピードにおいて前回を上回る。
(※上記の重点④)
であるならば、前回以上の「心配」をしなければならない。
ただ、向こう2-3ヶ月においてはその「心配」は不要に思える。
その理由は、まずは「前回QT」当時もマーケットは無神経に3-4ヶ月を過ごしたということだ。
当時も「QT実施」は非常に大きなテーマであったが、蓋を開ければこれ程大きなテーマをマーケットは3-4ヶ月を無視して過ごした。
(※マーケットとは意外に鈍感であり、今回QTも2-3ヶ月無神経に過ごされると思う。)
それに加え、2点暫く2-3ヶ月はマーケットを無神経に安心させる材料が昨日発表された。
その新規材料、2点は以下である。
①
一つは昨日FOMCに依る、QT開始時期が来月「6月1日」からとなったことだ。
インフレ退治を急ぐFRBとしては、昨日FOMCで今月5月からの即時QT開始も予想されていたが、そうはならなかった。
この1ヶ月の時間的猶予は大きい。
②
もう一つの要因は、同じく昨日、米財務省より発表された「米新発国債」の引き続き削減計画だ。
詳細は記事を検索していただきたいが、ざっくりとこのニュースは「100億ドル規模」の安心を米国債市場に供給する。
QTが今後4ヶ月で、475億ドル → 950億ドルに達する中、「100億ドル規模」の安心材料は債券トレーダーを十分に安心させる。
これらの要因を合わせると今後2-3ヶ月の米国債市場は安定して推移するであろう。
それに合わせ、各マーケットは一旦の平穏を取り戻すと予想する。
但し、次に今回行われるQTの影響が大きく出始めるのは、機関投資家トレーダーの夏季休暇明けになるだろう。
機関投資家債券部門のトレーダーは夏季休暇明けから、来年2023年の金利を意識し始める。
来年の金利上昇を予測し、更に米国債を売り始める可能性がある。
それに加え、今回QTの安心・無神経期間が終わりを告げ、QTによる「米国債リスクプレミア」上昇が重なる。
その時にどのような動きが予想できるかは、その時にまた投資アイデアを投稿しようと思う。
(※現時点で予想することは生産性に乏しい)
以上が今回のアイデア投稿である。
まずはこの現在、重要となっている米金利マーケットのセンチメンタルを頭に入れておくことを各々のアセットトレーダーにお勧めする。
まずはこの米金利マーケットの動向を理解した上で、前回までにお話しした「ドル円マーケット」についても、この後に投稿しようと思う。
結論から言うと「ドル円マーケット」はまずは中期(1ー3ヶ月)において調整狙いで売りだ。
昨日、FOMCの「真の重要点」まとめ。こんばんわ。
今回は昨日発表された、FOMC決定内容について「真に重要な点」をまとめて行こうと思う。
「0.5%の利上げが行われた」、「毎月950億ドル規模の資産償却が決定された」等々、表面的なことではなく、この結果がマーケットにどのような影響を与えていくかを考察していきたい。
まず、昨日発表に発表されたFOMCの最重要点は何と言っても「QT」、FRBバランスシート縮小に関する実施内容の取り決めだ。
昨日発表された「QT実施内容」の影響力を理解するために、昨日発表のQT実施内容と前回2017年に実施されたQT内容を比較し整理していきたい。
以下、いくつかの点について今年に実施されるQTと、前回2017年実施のQT内容の違いをまとめていく。
———————-
①
償却最大規模:950億ドル
償却最大規模:500億ドル
②
現時点FRBバランスシート残高:約9兆ドル
当時FRBバランスシート残高:約4兆5000億ドル
③
バランスシートに占める月最大償却比率:
950億ドル ÷ 9兆ドル = 約10%
バランスシートに占める月最大償却比率:
500億ドル ÷ 4兆5000億ドル = 約11%
※今回と前回BS残高に占める償却額パーセンテージはほぼ同値である。
④
月額目標、最大償却額に達する期間
6月開始 → 9月到達(4ヶ月)
475億ドル → 950億ドル
月額目標、最大償却額に達する期間
10月開始 → 9月到達(1年)
100億ドル → 500億ドル
―――――――-
以上が重点となる。
重点①、②、③の内容はまとめて整理できる。
まず今回のQT月額の償却目標額は950億ドル、前回QTの月額500億ドルから見ると倍額の規模である。
但し、バランスシートに占める償却割合であれば、今回と前回に大差はない。
(③の償却規模のパーセンテージを参照のこと)
重点①、②、③をまとめるとFRBの今回、月950億ドル償却目標額は、前回QTと同等のパーセンテージから算出していることが伺える。
では、今回のQTに対する懸念は2017年と同等に見てよいのかというと、それは重点④から異なることが分かる。
重点④を整理すると、
前回QTは初動月100億ドルから始まり、目標の月500億ドルの償却に達するまでに、実に1年の歳月を掛け慎重に行われた。
対して、今回QTはわずか4ヶ月で475億ドル → 950億ドルと最大の目標償却金額に達するハイピッチの金融引き締めであり、2017年前回QTを上回る過去最大の金融引き締めとなることが浮き彫りとなる。
今回QTが果たして、各マーケットにどれほど重大な影響を与えるかは未知数である。
ではまずは、少なくとも今回よりは影響の小さかった2017年QTがどれほどの影響を米債券市場に与えたのかを見ていきたい。
———
これまでのトレーディングビューへのアイデア投稿で、米国債価格とは「将来の金利予測」を元に価格が決まることをご説明した。
今回ご説明するのは、米国債価格決定のもう一つの重要な要因についてだ。
結論から言うと、今回は米国債価格決定要因「リスクプレミア(需給)」について理解してもらいたい。
米中長期(ちゅうちょう期、中国国債ではない)国債の価格は以下要因によって決まる。
米国債価格 = 「将来の金利予測」 + 「債券市場のリスクプレミア」
以下チャートをご覧いただきたい。
このチャートは前回2017年QT実施時に、どれほど米国債市場が「リスクプレミア」を要求したのかを表している。
(※算出方法:「米5年国債利回り」 − 「2019年末政策金利予測」)
このチャートから分かることは2017年10月から、まずは100億ドルの規模から前回QTが開始された訳だが、翌年2018年2月前後に米国債市場において大きな「リスクプレミア」の要求・上昇が起きている。
米国債市場トレーダーは、前回QT実施から3-4ヶ月後に追加上乗せ「リスクプレミア」を要求し始めた。
このことを言語化するのであれば、以下のようにまとめられる。
※前回2017年のQTでは開始初動は平穏に終えたが、実施後3-4ヶ月後あたりから米国債市場は「QTヒステリック」を起こし債券価格下落(金利上昇)を起こした。
※米国債トレーダーは前回のQT実施3-4ヶ月後までは平穏に過ごし、3-4ヶ月後から追加の「国債リスクプレミア」を要求し始めた。
※つまり前回QT開始後、3-4ヶ月は何事も無く思えたが3-4ヶ月後、想像に容易くQTを嫌気し国債価格の下落(金利の上昇)を見せた。
と言うことが過去から分かる。
これは過去、前回2017年のQT分析から分かる過去分析だ。
—
話を戻そう。
今年来月、6月1日より開始されるQT規模はそのスピードにおいて前回を上回る。
(※上記の重点④)
であるならば、前回以上の「心配」をしなければならない。
ただ、向こう2-3ヶ月においてはその「心配」は不要に思える。
その理由は、まずは「前回QT」当時もマーケットは無神経に3-4ヶ月を過ごしたということだ。
当時も「QT実施」は非常に大きなテーマでありマーケット最大の心配事であったが、蓋を開ければ、これ程大きなテーマをマーケットは3-4ヶ月を無視して過ごした。
(※マーケットとは意外に鈍感であり、今回QTも2-3ヶ月無神経に過ごされると思う。)
それに加え、2点暫く2-3ヶ月はマーケットを無神経に安心させる材料が昨日発表された。
その一つ目は、昨日FOMCに依る、QT開始時期が来月「6月1日」からとなったことだ。
インフレ退治を急ぐFRBとしては、昨日FOMCで今月5月からの即時QT開始も予想されていたが、そうはならなかった。
この1ヶ月の時間的猶予は大きい。
二つ目は、同じく昨日、米財務省より発表された「米新発国債」の引き続き削減計画だ。
詳細は記事を検索していただきたいが、ざっくりとこのニュースは「100億ドル規模」の安心を米国債市場に供給する。
QTが今後3ヶ月で、475億ドル → 950億ドルに達する中、「100億ドル規模」の安心材料は債券トレーダーを十分に安心させる。
これらの要因を合わせると今後2-3ヶ月の米国債市場は安定して推移するであろう。
それに合わせ、各マーケットは一旦の平穏を2-3ヶ月は取り戻すと予想する。
但し、次に今回行われるQTの影響が大きく出始めるのは、機関投資家トレーダーの夏季休暇明けになるだろう。
機関投資家債券部門のトレーダーは夏季休暇明けから、来年2023年の金利を意識し始める。
来年の金利上昇を予測し、更に米国債を売り始める可能性がある。
それに加え、今回QTの安心・無神経期間が終わりを告げ、QTによる「米国債リスクプレミア」の要求・上昇が重なる。
その時にどのような動きが予想できるかは、その時にまた投資アイデアを投稿しようと思う。
(※現時点で予想することは生産性に乏しい)
以上が今回のアイデア投稿である。
まずはこの現在、重要となっている米金利マーケットのセンチメンタルを頭に入れておくことを各々のアセットトレーダーにお勧めする。
まずはこの米金利マーケットの動向を理解した上で、前回までにお話しした「ドル円マーケット」についても、この後に投稿しようと思う。
結論から言うと「ドル円マーケット」は調整狙いで売りだ。