ファンダメンタル分析
米国のインフレ率、9カ月ぶりに低下: ジェイ・パウエル、どうする?米国のインフレ率、9カ月ぶりに低下: ジェイ・パウエル、どうする?
米国の年間インフレ率は9カ月連続で鈍化し、2023年3月に5%を記録した。これは2021年5月以来の低水準だが、それでもFRBの目標値である2%を大きく上回っている。投資家は、中央銀行がインフレを減速させるための利上げキャンペーンにいつブレーキをかけるかを見極めようとしています。
3月のFOMC議事録(今朝公表)では、2つの地方銀行の破綻を受けて、一部の連邦準備制度理事会の政策立案者が利上げの一時停止ボタンを押すことを議論したことが明らかになりました。しかし、最終的には、すべての政策立案者が、高インフレへの対処が依然として最優先事項であると判断した。最終的には、潜在的なリスクにもかかわらず、利上げに踏み切りました。
問題を複雑にしているのは、コアCPI(食品とエネルギー成分を除いたもの)が、2月に5.5%上昇した後、5.6%まで上がっていることです。このため、さらなる引き締めが行われるとの見方も出ている。
当初、マネー市場では「FRBは5月に利上げしないかもしれない」と考えられていましたが、その後、期待値は70.5%まで上昇しました。ドルインデックスは2月2日以来の低水準で、101.5付近で堅調に推移しています。
カナダについては、事態は好転しています。カナダ銀行は主要な夜間金利を予想通り4.50%に据え置き、景気後退の可能性を警告する言葉を抑えたのです。カナダドルはこれに好感し、1米ドル=1.34ドル前後まで上昇しました。
一方、英ポンドは1.25ドルに向けて上昇し、4日につけた1.2525ドルの10カ月ぶりの高値に近づいた。イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁は、2007/8年の世界金融危機を繰り返す兆候は見られないと述べており、投資家にとって心強いニュースとなっています。投資家は、イングランド銀行がインフレ対策として利上げを継続することに賭けており、ポンド高に拍車をかけている。
米国のインフレ警戒:市場はどう反応するか?米国のインフレ警戒:市場はどう反応するか?
水曜日と木曜日(米国時間)にそれぞれ3月の消費者物価指数と生産者物価指数の発表があり、投資家は忙しい経済データの週を迎えています。これらの結果は、FRBが利上げを一時停止するか、あるいは終了するかを決定するのに役立ちます。投資家はFRBの引き締めキャンペーンの継続に傾いているが、一時停止の可能性も過小評価すべきではない。
2023年2月の米国の年間インフレ率は、1月の6.4%から2021年9月以来の低水準となる6%に低下しました。3月のデータに対する市場予想は、5.2%への大幅な低下を予測している。重要なのは、インフレ圧力が予想通り弱まらない場合、トレーダーは5月に予測されている25ベーシスポイントを超える追加利上げへの賭けを増やす可能性があることです(あるいは、5月の利上げ予想を修正することも考えられます)。
週明け、投資家はグッドフライデーに発表された3月の雇用統計に反応し、非農業部門雇用者数が月間で23万6,000人増となりました。これは市場予想の23万人とほぼ一致し、失業率は前月の3.6%から3.5%に低下しました。
その結果、月曜日の取引開始直後、米ドルは失速し、ユーロ/米ドルはダブルピークをつけた後、トレーダーが自信を失い、ユーロは月曜日の始値を下回り、1.0885を割り込みました。このレベルは、今月何度もこのペアの底値として機能しており、また、長期的な上昇トレンドラインのバリアとしても機能しています。トレーダーは、次のダウンサイドターゲットとして、1.0822と1.0800に注目することになるでしょう。
CPIデータの発表後、米連邦準備制度理事会(FRB)は、最新の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を発表する予定です。
FRBが利上げを一時停止した場合の金の目標値 FRBが利上げを一時停止した場合の金の目標値
金は、ドル相場と国債利回りが再び弱くなったことを最大限に利用して、2,020米ドル/オンスまで急伸することができました。
米国の最近のデータでは、サービス部門の成長が鈍化し、3月の民間企業の雇用増加が予想より少なく、工場受注は2ヶ月連続で減少した。これは、金利が上昇する中で経済が冷え込んでいる可能性を示唆しています。その結果、市場はFRBが来月もファンド金利を据え置き、今月利上げの一時停止を決定したオーストラリア準備銀行と同様の道を歩むと予想しています。投資家は最近、FRBが5月2-3日の会合後に利上げの一時停止を選択するとの賭けを、前日の約43%から約60%に高めています。
金利が低下すると、利回りの低い金を保有する機会費用が減少するため、金は金利見通しに特に敏感です。
もしFRBが5月に利上げの一時停止を決定した場合、金価格はどのように反応すると予想されますか? 市場は、FRBが利上げを一時停止する確率は60%程度と見ています。目標価格は、2,027米ドル、2,032米ドル、2,036米ドル、2,040米ドルが考えられ、最初の2つは最近の争いのレベルである。金がこれほど高かった前回(2022年3月)を振り返るなら、2,070米ドルと2,060米ドルの2つの日足ピークをより高いターゲットとして考えたいかもしれませんね。
FRBの決定はまだかなり先なので、その間も多少の下振れリスクはもちろん存在する。
ドル円は指標をトリガーに下落するFX:USDJPY
金融不安は一旦の落ち着きを見せ上昇したドル円ですが、アメリカ経済指標悪化を受けて指標発表の都度下落しています。
4/5 23時指標に至っては悪い指標を想定した23時ジャストの売りによって窓が開く始末です。
窓は30分程度で埋められて思わず笑ってしまいましたが、その後再び下向きに舵を取っています。
とりあえず今日明日に関していえば131.5を超えれてくればアイデアのやり直しです。
ひとまず4/7失業率で下落の一服はすると思いますが、どこまで下がるのか?
フィボナッチ78.6の130.5を超えて、全戻し129.6、さらに下げて127まで目指しかねないと思っています。
ここに金融不安が再燃すればさらに下げる事になりますが、そこまでは期待せず、とりあえず目印で売り、
戻したら目印になる数字で売りを入れていく順張りスイングをうまく出来れば理想的です。
また、ドル安金利低下で維持されているダウ平均等の株式指標も景況感後退に合わせて売りで入れればと思っています。
ドル円 引き続き戻り売り目線チャートは4時間足です。
昨日発表された米JOLTS求人は993.1万件と、2021年以降初めて1000万件を下回り21年5月来で最低となりました。
また1月分も1082.4万件から1056.3万件へ下方修正され、2カ月間で130万件の求人が減ったことになるそうです。
減少ペースはコロナの際を上回り過去2番目に速やかなペースだそうです。
この結果で今週金曜日の雇用統計が悪化するかどうかは分かりませんが、やはり悪化を彷彿させるような数字で、
FedWatchツールの金利予想も5月のFOMCは据え置き票が増加しました。
今夜はISM非製造業景況指数が発表されますが、これまで割と好調な数字をあげてきましたがどうなるのかというところで注目を集めています。
さて、ドル円のチャート分析ですが方向性は変わらず下方向と見ています。
現在133円付近でショートポジションを持っているのでしばらくホールドでいいかなと思っているところですが、ここから新規エントリーを立てるとしたらどこから入ればよいか考えてみました。
白色書いたラインが二つあると思います。
まずは131.8円付近はレジサポラインとなっていてブレイクしてリターンムーブが起きて直近の戻り売りが意識されています。
そしてその次が緑のフィボナッチの38.2%のラインです。ここも三尊のネックラインで意識されていたレジサポラインです。
今日の指標がもし良い数字が出るとドル円は上がることになると思うので、その際に狙いたいポイントになります。
昨日はドル円のポジションの偏りは買いが多くてより下げやすかったですが、現在はあまり偏りがないので次の動きは指標待ちとなるかもしれません。
ご参考まで。
米ドルの支配は終わりを告げるのか?米ドルの支配は終わりを告げるのか?
世界の主要な基軸通貨である米ドルの地位は、各国がワシントンの影響から逃れようと躍起になっているため、揺らいでいる。
何十年もの間、ドルは世界の通貨システムを支配してきた。現在、中央銀行が保有する外貨準備高の約60%は米ドルであり、すべての通貨取引の90%近くがドルの使用によるものである。
しかし、2014年、世界の主要国の一部が商取引の脱ドル化を始めたことで、ドルの基軸としての地位は低下し始めた。ウクライナ戦争と、それに触発されたその後の制裁は、脱ドルのプロセスを加速させた。ひとつには、ウクライナ侵攻に伴うロシア中央銀行の外貨準備の差し押さえに中国当局が驚いたことがある。また、米中間の紛争が発生した場合、中国の資産も危険にさらされる可能性がある。
最近の脱ドルイベントは以下の通りです:
- サウジアラビアのモハメド・アルジャダーン財務相は、1月のダボス会議での記者会見で、石油資源国として48年ぶりに米ドル以外の通貨での取引を検討する意向を表明し、ジャーナリストを驚かせました。
- 先週、中国とフランスのエネルギー企業は、人民元という通貨を使った中国初の液化天然ガス(LNG)取引を完了しました。この取引はアラブ首長国連邦から65,000トンのLNGを輸入するもので、ガスや石油の取引において世界共通の「ペトロダラー」としての米ドルの地位に挑戦する北京の取り組みにおいて重要なマイルストーンとなるものである。
- ブラジルも最近、中国との間で、米ドルを介さずに自国通貨で直接取引することで合意したと発表しています。
- インドも、自国通貨で取引を決済するための個別のプログラムを立ち上げることで、国際貿易における米ドルの優位性を低下させる努力をしている。インド準備銀行は最近、18カ国の中央銀行がインドルピーで支払いを決済するための特別なボストロ・ルピー口座(SVRA)を開設することを許可しました。
全体として、世界市場における米ドルのシェアは、過去20年間で71%から59%に減少し、将来的にはさらに縮小する可能性があります。世界貿易における通貨使用はゼロサムゲームであるため、このシナリオにおける第一の被害者は米国である。グローバル市場で人民元、レアル、ルピーが交換されるたびに、1ドルは交換されない。もし信頼できる代替通貨が普及すれば、世界市場におけるアメリカの優位性は損なわれることになる。
2023年3月ドル円チャート ドル円の月足は今年の1月に昨年最高値の151.944円から61.8%戻しを超えて下落するも1月に月足のミドルラインでサポートされ反発。3月に底値から31.8%戻しの水準で揉み合い135〜137円で停滞。ここまではテクニカル的な値動き。
3月10日シリコンバレー銀行の破綻、同15日にクレディ・スイスの経営危機等の材料が発表され、その後もドイツ銀行の金融危機等もあり、一気にリスクオフへ。インフレ退治のための異常なスピードでの利上げの経済への影響がここに来て現れ始めた。
リスクオフの局面で買われるリスク通過(ドル、円、スイスフラン)のうち、米ドル(シリコンバレー銀行)とスイス・フラン(クレディ・スイス)二つの通貨の価値が下落し、年内の利下げ観測まで起こり円高となる。しかしアメリカのクレディスイスへの支援対策やドイツ銀行危機の中身の精査などの安心材料がありリスクオフの巻き戻し。29日からは四半期末の決算フローが重なり1月、2月と切り上げた安値を割ることが出来ず上昇トレンドライン継続。
日足では一目均衡表の雲を上抜けしているが、これが雲が薄くなっている抵抗力の弱い部分ということ①、安心材料が出ている中でリスクオフ巻き戻しの値動きがありながらも日足レベルでは下落していること②、最も強い上昇が月末フローであった事③があり、ドルに対しての円の優位性はまだ高いままと考える。
ドル円下落の今後のシナリオとしては❶世界的な景気後退懸念が来る事でのドル高円高、❷アメリカ経済が不安になる事でのドル安円高、❸日銀のYCCの撤廃の三つ。
ドル円上昇の今後のシナリオとしては❹景気後退懸念が払拭された事でのドル安円安(リスクオン)、ぐらいしか正直思いつかない。。
今回の円安(昨年3月から)騒動の発端はアメリカの異常な利上げとそれに追随する各国の中央銀行の利上げに対して、日銀が金融緩和を徹底したことから始まっている。RBCブルーベイが予想した日銀のYCCの撤廃。これが現実となれば日本のYCCが起因の値動きは戻されることも考慮する必要がある。テクニカル的にはドル円は買いだが、ファンダメンタルズに対してテクニカル的な逆行が生じている時がスイングトレーダーのエントリーチャンスとなる。まだファンダメンタルズの大局の答えは出ていないが、❹の今からリスクオンは正直楽観が過ぎると感じる。異常な利上げによって出てきた問題はまだまだ表面的なものであり、インフレが僅かに収まってきているとは言え、今リスクオンになると株高によりインフレは再燃してしまう。
ドル円のショートポイント、テクニカル的には日足の200EMA、75EMA、一目均衡表の基準線の重なる133.8円〜週足のミドルライン134円水準。上抜いた場合は151円からの50%戻しと週足のボリンジャーバンド下向きの+2シグマ、一目均衡表の基準線と重なる139.5〜139.6円水準。ここでのマックディーヒストグラムやファンダメンタルズの材料を加味してトレードしていきたい。
4時間足的にはマックディーがダイバージェンスからのデッドクロスと下落気運。三月の月末フローが終わりそのまま一気に下落となる可能性もあるが、日足的には上値余地もあるため下手に追わないように気をつけたい。
金が2,000ドルに到達する希望はまだあるか?金が2,000ドルに到達する希望はまだあるか?
金価格は、1,971ドル/オンスの高値をつけた後、後退し、1,960ドル以上のサポートが見つかりました。株式の上昇と国債利回りの上昇により、XAU/USDが最近の上昇を継続することは困難である。また、より広範な銀行の伝染病に対する懸念も和らぎ、安全な資産に対する需要が損なわれている。市場は、ファースト・シチズンズ銀行が破綻したシリコンバレー銀行の全預金と貸付金を買い取ることに合意したことを歓迎している。連邦準備制度理事会のマイケル・バー副議長(監督担当)は、SVBのトラブルは「ひどい」リスク管理によるものであり、孤立したケースである可能性を示唆しています。
さらに、DXYは0.20%上昇の102.60で取引されており、金の重みを増しています。これは、市場が依然として5月に連邦準備制度理事会が25bpの利上げを行うと予想しているからです。銀行危機がさらに広がる可能性よりも、インフレの可能性の方が大きいことから、投資家は5月に25ベーシスポイントの利上げが行われる確率を約39%と見積もっているのです。
これにもかかわらず、金は月間で約8%の上昇を見せ、月足チャートでは強気のエンフルフィングのパターンが見られ、短期的な見通しが強気であることが示唆されています。
投資家は、FRBの金融引き締め計画に関するさらなる手がかりを得るために、週明けに予想されるコア個人消費支出(PCE)価格指数に注目しています。コアPCEの印刷が4.5%を下回る場合、FRBは利上げを控えなければならなくなり、米ドル安となり、金が上昇することが予想されます。この場合、買い手のターゲットは1,900ドルとなる可能性があります。
ドル円はレンジ相場にOANDA:USDJPY
先ほど出たコンファレンスボード消費者信頼感指数良好により若干上向きになったドル円ですが、再び131円を割りました。
チャートは上にも下にも行けない状況です。
経済指標良好で金融不安が薄れ上、良好な経済指標は利上げ継続を示唆し上、しかし利上げ継続は金融不安の再燃に繋がるため下、期末実需のドル売りで下・・・
決定的な足がかり・・・どこ?
現状上目線なのかなとも思いますが月末月初指標がこれから目白押しで予断は許しません。
なので再びオプション頼みでレンジ戦術を取ります。
明日期限の131.75で売り、131でもポジション小さめで売り、直近で散々意識されてきた130.5で買い、130で買い。
指標発表時間には決済しておいた方がいいでしょう。
132、133にもオプションはありますが、特に133まで行った場合トレードアイデアを見直す必要があると考えます。
銀行の混乱が収まるとビットコインは上昇するのか崩壊するのか?銀行の混乱が収まるとビットコインは上昇するのか崩壊するのか?
ビットコインは先週のレンジをどちらに抜けるのでしょうか?画面では、29,000ドルから26,700ドルまでの価格帯を強調しましたが、これは1週間のレンジ期間の高値と安値を表しています。価格は26,500ドルまで下降する可能性がありますが、27,000ドルを下回る確信的な終値はまだ発生していません。
ビットコインは3月、米国の地方銀行数行とスイスの巨大企業クレディ・スイスの破綻で世界の銀行システムに対する信頼が揺らいだことから急騰した。現状では、他の銀行が経営破綻するリスクは沈静化しているようで、ビットコインの上昇の可能性を今後抑制する可能性もあります。もし、上値が重くなるようなことがあれば、30,000ドルという物理的な水準は、強気派にとって高すぎる目標かもしれない。現時点では、ゴールドが2,000ドルに達する可能性の方が高いかもしれません。
暗号の分野では他に、おそらくビットコインの価格にさらなる圧力をかけている、商品先物取引委員会は、米国の取引およびデリバティブ法に違反した疑いで、バイナンスとその創設者であるチャオ・チャンペンを提訴しました。BinanceとZhaoは、CTFCから「非効率的なコンプライアンスプログラム」を運営し、意図的に法律に違反していると非難されています。Zhao氏は、CTFCの申し立ては「フェイクニュース」であるとツイートしています。
◆2023.03.15 EUR/USD 買いOANDA:EURUSD
【市場環境】
・クレディ・スイス・グループを巡る危機(リスクオフ)→UBSグループ買収により市場に安心感(リスクオン)
・市場の動向は今週のFOMCに注目
→強い経済指標を受けて引き続き利上げを行うのか?
→米地銀倒産から利上げ停止→利下げの動きとなるのか?
【 シナリオ】 *ドル安 →FED利上げしても0.25% 年内利上げ停止から利下げの流れへ
・FEDは米地銀の倒産などを受け利上げペースを落とす、もしくは据え置くシナリオ
・もしFOMCでの大幅利上げや、ドットチャートでのFFレートの誘導目標が現状よりも高い推移を示唆し継続的な利上げを意識された場合の
景気後退を織り込むドル高には注意をしたい
【 テクニカル】
・注目レート1.06900
先週の値動きで1.6900を一度上向けたもののクレディースイスの問題から下落
その後上記の動きを受けて再び1.06900を回復
・シナリオで記載した通りドル安の流れで相場を見ているため日足25SMAの実態ブレイク、1.06900を日足実体でのブレイク定着を確認してエントリー
【エントリー】
・1.07228 買い
230324 米国経済現状分析普段あまり見ない物差しで現状の米国経済がどのような水準にあるのか確認してみた。
きな臭い金融不安のニュースが連日流れているが、仮に今後どんな流れになるにせよ、SP500のように超長期で見れば絶対にいつか上がるのだという安心感を持ちながら投資を楽しみたい。
1段目に水色線でSP500をBEA(米商務省)が提示する企業収益で割ったものを示している。この線で示すのは企業収益に対して現在の株価は割高なのか否かということである。
目安となるよう、この線のおよそ中心あたりににくるよう水平線を引いている。
この線を見ると2000年ごろのITバブルの時がいかに異常だったかというのがよく分かる。2022年初ごろも近年ではITバブルに次ぐ割高感だったことが見て取れる。
それが直近ではだいぶ落ち着き、もうじき中立ぐらいの水準に戻りそうなところまで来ている。
背景がグレーになっているところは過去のリセッションを表している。1973年より過去まで見てみると、リセッションを繰り返していたような時期でも、20年近くの超長期に渡って業績比で割高な株価を維持している時期もあったようだ。それを加味すると今の下がり具合でも「高すぎではなくなった」ぐらいの水準に来ているとは言えると思うので、自分の投資時間軸次第で買い増しを始めてもいい頃合いなのかもしれない。新たな投資ネタを探したければリンクの前回記事(CAGR一覧)を参考にされたい。
もう一つ参考にグレーの線でSP500をGDPで割ったものも重ねている。時価総額をGDPで割ったものはバフェット指数として知られる。完全にそれを描画することはできなかったがほぼ同じトレンドを描くだろうということで参考として載せている。この線と水色の線を見ると、2000年より前では比較的同程度の水準のチャートとなっていたが、それ以降の近年ではバフェット指数(もどき)が高めに出ていることが分かる。図示していないがこれぐらいの時期からアメリカの貿易赤字が膨れ上がっているので、輸出ー輸入の純輸出で評価するGDPは企業業績に対して小さくなってきているためと考えられる。iPhoneを中国で製造してアメリカに戻すなどのビジネススタイルが確立して輸入大国化してしまっている近年ではバフェット指数はもはやあまり参考にならないのかもしれない。
水色線に戻ってもう少し買い場となりそうな箇所を考察してみる。ブレイクアウトしている箇所に青丸、水平線で反発している箇所に緑丸を付けている。ITバブル時はブレイクアウト後の伸びが異常すぎて、すぐ下に再びブレイクアウトしてるが、ここは急すぎたため例外とみなすと、青丸はほぼ20年周期で観測されることが分かる。2021年ごろの山は1960年ごろと同程度で過剰ではないため、直近のブレイクアウトは2016年ごろに起こっていることを考えるとしばらくは下へのブレイクアウトは起こらないと考えられる。一方で水平線に注目すると、SP500の黒線と照らし合わせながら見ると、これより下に来ているときは基本的に買い場であり、下から上にぶつかる際に要注意となる。逆に上から下にぶつかる際は下にブレイクアウトしない限りは同様に買い場となる。向こう十年は下へのブレイクアウトは起こりにくいという仮説を信じれば、再び水平線にぶつかるあたりが買い場となるだろう。ただ、直近にもすでに一度上から下に反発してしまっているのでそこが絶好の買い場だった可能性も十分あり得るが。
2段目に物価に対する賃金および貯蓄の水準を表示している。
まずは紫の賃金/物価比から見てみると、非常に長い年月をかけて第一次オイルショック時の水準に戻ってきていることが分かる。
コロナでそれがオーバーシュートしてしまったせいで2022年初頭ぐらいまではその水準を超えてしまっていたようだ。やはりコロナ後は起こるべくしてインフレしていたようである。
直近のCPI発表ではしばらく落ち着いてきていた感があったが、この線を見るとどうもまた賃金が相対的に上がってきているようでインフレの再発を予感させる。もしくは1st OS時の値で反発か。ただしそれは不況を意味するが。
続いて緑の個人貯蓄/物価の線を見てみる。なおここで言う貯蓄とは、どれぐらい貯金がたまっているかということではなく、その時期その時期でどれぐらい給与を貯蓄に回しているかというのを示している。これを見ると過去非常に長いスパンで面白いぐらい物価と同水準で推移していたことが平坦性から読み取れる。そしてITバブル中とバブル崩壊からの回復中は少し調子に乗って貯蓄を減らしてしまったが、2008年のリーマンショック以降はなるべく貯蓄に回すようマインドが変わっていたようだ。それが2020年のコロナ以降、急激に貯蓄している場合ではなくなったことがこのチャートから読み取れる。
近年では丸印の2か所の下振れの後、株価下落の半ばぐらいで中立水準に戻り、その後に株価がさらに大きく下落している。2022年も久々に下振れが起こっており、これが何かのシグナルにならないことを祈っている。せっかく近年は貯蓄意識が高まっていたのに、数十年ぶりに来た高インフレに生活リズムが対応できていなかったようだ。今よりさらにインフレしていたオイルショック時代には給与も物価比で同水準ながら下振れしていなかったようなので慣れの問題のようだが。
続いて3段目に預金額の推移とその前年比を示している。
このグラフをパッと見ただけでもおかしな点に気づくだろう。預金額が観測史上初めて減少している(1994年は微小なので無視)。これはQTが影響しているのは間違いないであろうが、QTは2018年にも実施されており、そのころには十分にプラスを保っていた。それが今回は、上述の貯蓄の減少も相まってか銀行全体の預金額を減少させるほどの効果となっているようである。
先日3月17日のInvestopediaの記事で、もし半分の顧客が預金を引き出せば約200の銀行が破綻する可能性があると書いてあるのを見た。キャシー・ウッド氏がSVBやシグネチャー銀行の破綻の主犯はFRBだと主張していたのも案外的を射ているのかもしれない。
この預金額はコロナ時に極端に跳ね上がったままだったので、従来のトレンドに戻るまでもうしばらく減少が続きそうだが大丈夫だろうか。
この減少を止めてしまうと再度インフレ懸念が強まるので、一切の痛みを伴わない金融政策は不可能なのではと素人目には思えてくる。
最後にインフレ率と失業者数のグラフを見ておこう。
ここでは失業率ではなく、失業者数そのものを示した。その理由を述べておきたい。
まず図示していないがアメリカの人口は増え続けており、それにともない就業者数も増加している。それに対して失業者数は比例せずほぼ一定の水準で上下動している。失業率は
失業率=失業者数/(就業者数+失業者数)
であらわされるため、失業者数の水準がほぼ一定である場合、就業者数が人口の増加とともに増えるのであれば、人口が増えるにつれて勝手に失業率は下がっていく。
そのため失業データを率で見るのは徐々に意味がなくなっていると考え、生値をそのまま見ることにした。
とは言うものの失業者数そのものも直近では非常に低い水準になっている。ただ改めてこのグラフを見ていて気付いたのは、失業者数が低く保たれている期間は全体を見ると極めて短いということである。
歴史的に見ても6M人くらいまで失業者数が減ると、決まって間もなく失業者数が増加していることが分かる。この水準を維持できるのはほぼ1年程度のようだ。
また面白いことに、程度の差はあれ、失業者数が底にくるぐらいのタイミングでインフレ率は増加し、追ってリセッションしていることも分かる。これが自然な景気サイクルのようだ。
今回はコロナが来たのでインフレとのタイミングが少しずれたものの、ご多分に漏れず同じ傾向となっている。
サイクル論的にこのような現象になるのは当然かもしれないが、数字の目安に気づけたのは個人的に収穫でだった。
見えている範囲では1953年と2006年を除いて、失業者数の増加を伴わずにインフレが収まったことはない。
そのため今回も、このままインフレが収まるなら失業者数が増えるという既定路線に乗りそうである。
ただ1968頃のように数年スパンの現象になることはあり得るかもしれない。だが個人的には連日の金融不安を考えると今回も短命で終わりそうな気がしている。
ポンド円 三角保合 次は上昇のターンかチャートは4時間足です。
ポンド円は赤色のトレンドラインで書いているように三角保合になって推移しています。
現在下限にタッチして少し反発していますが、目先はここから上昇して162円手前を目指す動きをイメージしています。
ただ今回はロングポジションを見送りました。
なぜなら、日足と4時間足の200SMAが今のレートより上にあり、また今年の後半にかけてポンドドルは下落目線と考えているので基本的には戻り売りで狙いたいと思っているからです。
今日発表された日本のCPIは前回より1%近く下落し、このまま金融引き締めを行わなくてもインフレ率は2%台まで低下すると考えています。
コアコアのCPIはまだ上昇傾向なので、そこの数字には注意ですが、日銀が出口戦略を講じる必要性が遠のくことになります。
去年のように必要性を迫られていたさなかで断固として政策維持を貫き、円安を招いてしまったわけですが、もう必要が無いとなるとその傾向も無くなっていくということです。
またポンドの方は昨日の政策金利発表では必要があれば金融政策の引き締めを行うとし、まだ終了宣言は出ていませんが確実にターミナルレートに近づいてきています。アメリカもあと一回の利上げがあるかないかですが、その他の国もアメリカに続き利上げを停止していくと思われます。
イギリスの場合はまだまだインフレ率が高いので、すぐに利下げが講じられるとは考えにくいですが、英中銀はインフレ率は急激に減少していくと発表しています。そうなれば利上げのフェーズは終わり、維持もしくは金融緩和がいつか市場が模索し始めるはずです。
よってポンド円は今後長期的に下落方向に動くと予想しました。
基本的には戻り売りから入りたいというのはその為です。
具体的に戻りを狙っているのは162円付近です。
損切りなどはそのレートに達してからプライスアクションも見たいので、今は書かないでおきます。
三角保合の上限と4時間足の200SMAも重なりますし、レジサポラインでもあります。
ご参考まで。
ドル円は金融不安を抱えながら推移するOANDA:USDJPY
今回を除く最近のFOMCは基本的に
・インフレ退治する→そのために金利を上げる→ではどの程度の金利が適切なのか
という点が焦点でした。
ところが先日の金融不安(銀行破綻)により利上げの継続、あるいは利下げは市場心理に対して矛盾する双方向の意味を持つ事になってしまいました。
つまり
利上げ=『中央銀行は金融不安を些事とみている(市場心理+)、しかし利上げ自体は金融不安になりやすい環境を作る(-)』
利下げ=『中央銀行は金融不安を大事とみている(市場心理-)、しかし利下げ自体は金融不安になりにくい環境を作る(+)』
結果金融不安はそれほど大した事でもないという心理から発表直後米株は上がり、しかし同時に金利上昇はより金融不安を起こしやすい環境を作るためドル安という通常環境下における利上げとは真逆の結果になりました。
この事は金融不安は未だ根強く意識されているという事だと思います。金も値上がりしましたし。
以上からドル円は楽観と不審が交差し一方的な方向性は作れないと見ています。そのためオプションを指標としてカウンタートレード戦術で10~20pipsを取っての撤退を目指します。
具体的には130.5、130での買い、132、133での売り。131.5が一番目印になりやすいのかなと見ています。防御を重視するなら0.1程度深めにずらすのもいいでしょう。レンジにならず一方向に張り付いた後停滞する可能性もあるとしてレンジ戦術ではなく反発でのトレードを考えています。
正直やりづらいので触らない方が無難かもしれません。
英国のインフレ率と米国の利上げに対するGBPと金の反応 英国のインフレ率と米国の利上げに対するGBPと金の反応
過去12時間以内に2つの重要なイベントが発生し、GBPUSDと金価格の両方を急騰させました。
最初の出来事は、英国のインフレ率が予想外に上昇したことで、1月の10.1%から2023年2月の10.4%に跳ね上がり、4ヶ月ぶりの上昇を記録しました。この上昇の主な要因は、飲食料品の高騰で、過去45年間で最も速いペースで急騰した。このインフレ率の数値は、イングランド銀行が再び金利を引き上げる必要があるという議論を煽るかもしれません。しかし、このデータは、明日予定されているイングランド銀行の利上げ決定に影響を与えるには遅すぎたかもしれない。それにもかかわらず、英ポンドは米ドルに対して上昇した後、いったん落ち着き、2つ目のイベントのニュースを受けて再び上昇しました。
2つ目のイベントは1時間前に発生し、米国連邦準備制度理事会が25ベーシスポイントの利上げを含む最新の利上げ決定を発表したことです。市場の大半はこの動きを予想していたが、一部の参加者はFRBが利上げを一時停止する可能性があると見ていた。決定後の挨拶で、パウエルFRB議長は、最近の経済指標、特に雇用統計が予想を上回る強さであったことを認めました。しかし、パウエル議長は、最近の銀行セクターの混乱が貸出条件の引き締めにつながり、堅調な経済データに対抗することができるはずだと指摘した。それでもパウエル議長は、最近の銀行危機に対して金融政策がどのように対応すべきかを判断するのは時期尚早であるが、今後の利上げ決定において役割を果たすことになるだろうと付け加えました。
金は、GBP/USDと同様の経路を辿っており、1,970ドルの抵抗に遭遇しているように見えます。
USDは天秤にかけられる。銀行のカオス vs インフレUSDは天秤にかけられる。銀行のカオス vs インフレ
米国連邦準備制度理事会(FRB)は2日間の政策会合を開始し、48時間後に最新の金利決定を発表する予定である。この会合で当局者は、依然として高いとされるインフレによる利上げの可能性や、現在の金融市場の混乱に重きを置くべきかどうかを検討することになる。残念ながら、会合前のブラックアウト期間により、当局者がコメントすることは禁じられている。
UBSの株価は14%以上下落しましたが、同銀行が経営難に陥っている国内のライバル、クレディ・スイスに30億スイスフラン(32億ドル)の緊急救済策を提供したことで、なんとか1.2%高で取引を終えました。クレディ・スイスのバランスシートは、2022年末時点で約5,300億スイスフランとなり、2008年に破綻したリーマン・ブラザーズの2倍の規模であるため、世界の銀行システムにとって懸念材料となっています。
クレディ・スイスの危機と米国の地方銀行の破綻に対応するため、連邦準備制度理事会は、世界市場の資金調達ストレスを緩和するため、カナダ、英国、日本、スイス、ユーロ圏の中央銀行に通貨スワップを毎日提供することを開始しました。
このような状況の中、トレーダーは、連邦準備制度理事会(FRB)が水曜日(米国時間)に基準となる政策金利を引き上げるかどうか、不透明な状況です。銀行危機の影響で連邦準備制度理事会(FRB)が従来予想されていたほどの利上げを行わないかもしれないと投資家が予想しているため、ドルインデックスは月曜日に3セッション連続で103.5を割り込みました。
Fedファンド先物は、4分の1ポイント利上げの確率を70%、変更なしの確率を30%と反映しています。また、目先のインフレ期待が先月ほぼ2年ぶりの低水準に達したことから、目先のインフレ期待が大幅に低下したことも、FRBが利上げを一時停止するとの予想に寄与しています。
その他のニュースでは、世界の銀行セクターのリスクが景気後退につながるのではないかという懸念から、原油価格は月曜日に15ヶ月ぶりの安値まで下落しました。前週に6.4%上昇した金価格は、月曜日には1オンス1,980ドルまで下落しましたが、セッション開始前につけた1年ぶりの高値2,009ドルに近い水準を維持しました。